長編小説「昭和」

ロフト付き って良いですよね。隠れ家というか何というか。
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ロフト付き は、おもしろい
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私の病気(下痢する病気)の原因は
不明です。
しかし食事制限していると
無症状にすごせます。
しかし生活の質を向上するために
そのためふたつの面から
解決をしようと考えています。
ひとつは原因物質の探求
もうひとつは代替食品の開発です。
ご協力くださる方は、メールください。

上記メールアドレスをクリックしても
新しいメールが出てきません。
上記のメールアドレスを
あて先に打ち込んでください。
メールください。

ロフトで笑ってすごそう
「笑う」とがん細胞を
やっつけるとのことで
「笑っています」

皆様もご一緒に


アスカルも笑っています
ロフト君もよろしく

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2008年05月10日(Sat)▲ページの先頭へ
連続小説「昭和」の武蔵の死について その3

日本は
日清・日露の大きな戦いで
勝ちました。
そのときは
一応の好況を迎えます。
しかし多くの
優秀な人材を失い
隣国に多大の迷惑をかけてしまったのも
事実です。

その後
第二次世界戦争で
悲惨な敗戦をこうむります。
その敗戦の遠因は
きっと日清日露の戦争にあったのだと
思います。

しかしどうでしょう
日本は10数年後には
戦前と同じほどの
活況になったではないでしょうか。

繰り返しますが
戦争に負けても勝っても
結果があまり変わらないのは
歴史が証明する事実です。

一方戦争の痛手は
敗者はもちろん
勝者にも大きく残ります。

河野家だけについて言っても
武蔵の死によって
のちの
千代の悲惨な運命が生まれてしまったのです。

中国本土では
もっと幾多の
不幸があるでしょう。
また
中国に残された
毒ガスの廃棄問題の一例を考えると
決して経済的にも
割に合うものではありません。

戦争は経済的な面から考えても
すべきではありません。


2008年05月09日(Fri)▲ページの先頭へ
連続小説「昭和」の武蔵の死について その2

先の大戦で
亡くなられた
方々の
ご冥福をお祈り申し上げます。

前にも言いましたが
武蔵は
優しい兄であったと
老いてから
けいは話しておりました。

きっと武蔵は
戦地で
直接的には
敵を殺さなかったと
著者は考えています。
しかし
武蔵の運んだ
砲弾や大砲で
中国民が
亡くなられ
大きな不幸を
もたらしたことは
事実です。

そのようなことを
しなければならなかった
武蔵の気持ちは
いかばかりか
推測するに余りあるものです。


戦争は勝とうが負けようが
結果はあまり変わらないと
私は考えています。

一時は勝つほうが
負けるより
利益は多いと思いますが
事後のことを考えると
その利益は
なくなってしまうのではないでしょうか。

(つづく)


2008年05月08日(Thu)▲ページの先頭へ
連続小説「昭和」の武蔵の死について その1

後日登場する
この小説の主人公 けい は
武蔵を親のように慕っていました。
年が離れていたので
そう思ったのでしょうか。
兄さんとは呼ぶことなしに
「たけさん」と呼んでいたそうです。

けいの武蔵への思いは
少女時代の
大きな支えであったのかもしれません。

予備役で招集されるまでの
数年間は
けいは
大変な労働をしていたのですが
一番幸せな時期だったと後年述懐していました。

戦争がなくて
予備役が招集されなかったら
武蔵は結婚し
もちろん武蔵は幸せな人生を過ごせたでしょう。

きっと
おじいさんの
清兵衛とおなじくらいの
立身出世を
果たしたかもしれません。

そして
けい もその恩恵によくしたでしょう。

戦争は
武蔵の人生にピリオドを打ち
家族のものに
苦難を強いたのです。

皆様
平和は大切ですね。


長編小説「昭和」 その153

長編小説「昭和」 その153

前書き  今までのあらすじ
その1からその130まで まとめたもの

数週間後
白い布で包まれた桐の箱と
恩賜金が
千代の家に届けられました。

武蔵は
一階級特進して
陸軍伍長となって
骨となって帰ってきてしまいました。

千代は恩賜金のすべてを使いはたし
武蔵の墓を
ふるさとの今津の
清兵衛と清三の隣に
建てました。
そのお墓は4尺ばかりの白御影石の台座の上に
少し小さい石がのっており
その上に
四角い台形の細長い石がのっています。
一番上の石は
先がとがっています。
前には
陸軍伍長 川野武蔵刻まれています。
後ろには
戦死広報に書かれていた戦死の顛末が
小さな字で刻まれています。
前には
花を立てる石と
水を供える窪みがある石があります。
その石の前には
河野家の紋が刻まれています。

このお墓が出来上がると
送られてきた
骨壷を収めました。

千代の納屋には
武蔵の
形あるものは残りませんでした。
ただ悲しみだけがいつまでも残ったように思えました。


2008年05月07日(Wed)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その152

長編小説「昭和」 その152

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

戦病死の知らせは
数日後に
市役所の職員を通じて
千代の下に
届けられます。

死亡公報を受けた
千代や
けいは
大きな悲しみにおちいります。
武蔵が勤めていた酒蔵の杜氏たちや
親戚縁者隣人など
武蔵を知るものたちは
ことごとく悲しみます。

まだ
中国戦線で
戦死者は少なく
稀であったので
名誉の戦死に
驚きと
畏敬の念を覚えたのです。

少し前の
清三が
亡くなった時より
千代らの
悲しみは大きいものでした。

千代にとっては
清三や勇治が居ても
武蔵がいるから
生きていけたのです。

その武蔵が
お国のために
死んでしまうとは
どう考えていいものか
わからなくなってしまいました。


2008年05月05日(Mon)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その151

長編小説「昭和」 その151

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの


前の日から
熱があったのかもしれません。
しかし体温計というものが
前線にはありませんので
あまり良くわからなかったのです。

朝には熱が出て
すごい寒気がします。
戦友も同様に
熱が出ていて、
一方
動けるものは
敵と戦っていたのです。
誰も武蔵を
世話をするものなどいません。
昼には殆ど意識がないようになって
寝込んでしまいました。

その日の夜半に
帰らぬ人となります。

翌日
精鋭の部隊の
援軍がやって来て
敵方と激しい戦闘になります。
戦闘は
3時間ぐらい続きますが
敵方は
一旦兵をひいたのです。

部隊はやっと救出されます。
晴天のその日
武蔵のなきがらは
火葬にされ
遺骨のみが
日本に帰還することになってしまいました。

もう少し援軍が
早ければ
助かったのですが
武蔵は
不運だったのでしょうか。

この一連の戦闘で
亡くなったのは
3名しか出なかったのですが、
武蔵は
異国の地で
灰となってしまいました。

2008年05月04日(Sun)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その150

長編小説「昭和」 その150

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

酒蔵で鍛え
ながく異国の地で
転戦した武蔵です。
これまでも
大変な戦闘に遭遇していました。
しかし
命冥加があったのでしょうか。
そのつど幸運にも
助かったのです。

この度のこの窮地に遭遇して
士官の中には
一気に敵に突入し
玉砕しようという
極論を述べるものもいます。

しかし隊長は
伝令を本隊に送って
救援を求めたので
持久戦の覚悟になっていました。

しかしその季節は
野営するには
大変な季節で
雨が降り続いていました。

満足な雨具もなく
敵がいつ攻めてくるかもわからず
壕の中で
息をこらえて待っているのは
兵は疲弊します。

屈強の若者であった
武蔵の体力も
限界に達します。

食料もなく
夜も眠られず
その上
雨が降り続く状況下で
人は何日生きれるというのでしょうか。

律儀の武蔵ですから
余計にその疲れは
増します。

陣をはってから
10日目に
武蔵は
発熱してしまいます。


2008年05月03日(Sat)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その149

長編小説「昭和」 その149

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

武蔵の部隊は
丘の上に
陣をはります。
壕を掘って
敵に備え
援軍を待ちます。

もちろん補給はありません。
持ち運んでいる
食料のみです。

敵方は
夜になると
どことなく忍び寄り
攻撃をかけてきます。

砲兵部隊は
小銃を持つものが
少ないので
小火器で
各方面より攻撃されます。

大砲で応戦することはできません。

武蔵の部隊は
夜眠ることなしに
敵に備えます。
そして
野宿するのです。

一週間もすると
食料は底をつき
兵馬は疲れ切ってしまいます。

援軍は
やってきません。
しかし降伏することは
当時の日本軍には
許されません。
「生きて辱めを受けず」
というのが
基本ですから
玉砕しても
耐えるしかなかったのです。


2008年05月02日(Fri)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その148

長編小説「昭和」 その148

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

勇治が
満州で
日本人を相手に
あるいは
中国人を相手に
些細な悪行をしていた頃
武蔵の
部隊は
中国軍の奇襲作戦に遭遇します。

細い谷あいを
行軍中に
山の上から
攻撃されたのです。

部隊は
組織的抵抗ができないまま
離散してしまいました。

攻撃が
不意をつかれたので
先頭の歩兵部隊は
逃げるように
撤退し
後方の砲兵部隊が
敵と対峙することになってしまいました。

大砲や
砲弾
馬やその他の装備が
大きかったので
砲兵隊のみ取り残されたのです。

指揮官の下
部隊は
付近の小高い丘に
やっとこさ逃げます。
逃げる間にも
大砲や馬を
置いて逃げることなど
許されることがなかったのです。



2008年04月30日(Wed)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その147

長編小説「昭和」 その147

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

武蔵の所属する砲兵隊が
中支で
大きな戦いをやっていた頃
ついに勇治は
日本を逃げ出します。
女と子供を置いて
まず満州へ渡っていきます。
後に残された
女は子供を
千代に預けて
これもまた上海に行ってしまいます。

勇治の子供は
上が女の子で
下が男の子です
下の男の子は
まだ3歳になったばかりで
その世話を
千代と けい は
しなければならなかったのです。

この時けいは
15歳で
僅かなお給料で
老いた母と
幼い いとこの子供ふたりを
養っていくことになります。

その頃勇治は
満州で左官をしながら
やくざな稼業をしていました。
それ以外に
色々とやっていました。





2008年04月29日(Tue)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その146

長編小説「昭和」 その146

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

中支の戦線で
武蔵が戦っているとき
一方勇治は
どのようにしていたかというと
千代やけいには
悲惨というしかない状況に陥ってしまいました。

日本に大恐慌がやってくると
勇治の左官業も
殆ど仕事はなくなったのです。
今まで
「ぱっとも儲けて
ぱっと使う」を旨としてきた
勇治にとっては
蓄えがないと
女から
せっつかれて
困っていしまったのです。

それで武蔵がいない
千代の家に行きまた。
千代の家には
武蔵が儲けた
お金があるのです。
その金を
勇治は
無心するのです。

もちろん千代は
渡そうとはしませんが
時には暴力に出て
あるいは
泥棒のように不在のときを狙って
取りに来るのです。

そんなことを
1年もすると
蓄えもなくなってしまいます。
それでも取りに来て
けいが働いて
得たお金も
とって帰ります。

家賃も払えなくなって
千代とけいは
また甑岩の
実家の納屋に帰ることになります。
勇治は
千代が実家に行ってしまうと
そこまでは
追いかけて
お金を取りにいけなくなります。

千代の兄が
地元の有力者で
あったからです。


2008年04月26日(Sat)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その145

長編小説「昭和」 その145

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

これより少し前
勇治は兵役明けで
西宮に帰ってきたのです。
兵役から帰ると
勇治は
前と同じような
状態になります。

金がなくなると
左官で少し働き
金がある間は
やくざな稼業についていました。

戦争を経験して
もっと粗暴になっていました。

そんな勇治は
ある女と同居し始めたのです。
勇治を男にしたような
女で
二人そろって
酒は飲む
博打はする
というものでした。

二人はいろいろなことをやっていましたが
千代のところには行きませんでした。
千代のところには
武蔵がいて
勇治は
武蔵が苦手だったのです。
武蔵が
西宮にいた頃は
何か張り合いでもあったのか
それなりに
勇治も
生活しており
ふたりの子供をもうけて
真っ当な生活をするかのように見えたのですが
武蔵が西宮から去っていく日が来ると
事態は一変します。



2008年04月25日(Fri)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その144

長編小説「昭和」 その144

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

そんな中でも
律儀な
武蔵のことですから
馬の世話を
万全にします。

召集されて
2年目になると
位も
兵長になり
責任だけが
増していきます。

上官の
「兵は一銭五厘で新しいものが来るが
馬はお金がいるのだ」
という言葉に象徴されるように
軍隊とは
非人間的な
世界だったのです。

戦争は収まるどころか
ますます広がります。
戦線は拡大し
点と線の戦いが始まります。
それに応じて
部隊は
北支から
中支へと転戦します。

除隊して
西宮に帰るなど
もう武蔵には無理のように思いました。



2008年04月24日(Thu)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その144

長編小説「昭和」 その143

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

(著者注:
以下の文中には
今では差別用語となる
支那という言葉に由来する
北支 中支という言葉が出てきます。
当時の日本の状況を
現すものとして
敢えて用いています。
関係者の方々
お許しください。)

武蔵は
直ぐに
外地に行ってしまい
千代は会うことができなくなりました。

武蔵は
北支の部隊に
入隊し
野砲兵として
馬で
大砲を引っ張る
係になりました。

馬は貴重品ですが
何分生き物ですので
その世話をするのは
大変です。

馬は
牛とは違い
力が強くて
よく言うことを聞きますが
牛より
ずっと扱いの難しいもので
特に戦地で
その世話をするのは
並大抵ではありません。

武蔵が世話を命じられた馬は
食べ物の具合でしょうか
よく便秘になります。
馬が苦しそうにするので
手を突っ込んで
排便することも
ままあったのです。

武蔵の所属する部隊は
歩兵の後を付いて
転戦に次ぐ転戦を重ねます。
満足な補給もなしに
転戦ですので
文字道理兵馬は疲弊しきってしまいます。


2008年04月23日(Wed)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その143

長編小説「昭和」 その143

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

武蔵は
背丈は
六尺あまり
酒蔵の
仕事で鍛えて
筋骨隆々の
若者で
頭も明晰
その上誠実と
予備役を選び出す係りには
申し分ない兵士でした。

当時の戦線は
中国の大平原で
満足な車両が無い時代ですから
もっぱら重量物の
輸送は
馬に頼っていいたので
馬を扱える
屈強の若者の要求をだしたのです。

もう少しで結婚の日となるときに
市役所の
担当者が
恭しく
敬礼して
千代がいる家に
やってきました。

担当者は
いわゆる赤紙を渡して
印鑑をもらって帰っていきました。

武蔵は
酒蔵から帰ってくると
召集令状を渡され
愕然としました。

武蔵は
新聞や
中国から来た人たちの
言葉から
この戦争は
長く続くと
読んでいたのです。

それで結婚は
急遽中止し
出征することになりました。
式だけ挙げて
出征する人も
多かった中
武蔵は
何か予感していたのかもしれません。
武蔵は
多くの人に送られて
中国へと
出征していました。




2008年04月22日(Tue)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その142

長編小説「昭和」 その142

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

結婚が決まって
武蔵にも
やっと春がきそうなとき
日本をめぐる
国内外の状況は
風雲急を告げていました。

アメリカが
大不況を迎える前から
日本は不況でした。
昭和の始めの
大恐慌が
やってくると
日本はますます大変な状況になり
軍は
独走するようになります。

強国は
植民地に頼るようになります。

日本も
周辺国に
その食指を伸ばし始めて
隣国と紛争状況に陥ります。

そんな中で
日華事変が始まると
軍は
予備役の招集を
始めます。

予備役の招集は
その能力に応じて
召集がはじまります。

軍は
必要な能力をもった兵士の
要求を出すと
予備役の中から
それを選び出すのです。

当然ですが
優秀なものから
徴用されます。



2008年04月21日(Mon)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その141

長編小説「昭和」 その141

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

武蔵は
それからも
働き続けました。

そんな日々が続いていましたが
武蔵のもとに
縁談が来ました。
武蔵は
すでに
数えで29になっていましたので
遅すぎるといえば
遅すぎるのですが、
武蔵のまじめなところや
おじいさんの
清兵衛のことを良く知っている
人が
良い相手を
世話してくれたのです。

武蔵は
清兵衛の
出世が
清兵衛だけの
力ではなく
ゆかの
おかげであることを
よく知っていましたから
伴侶に選ぶ人には
大変慎重になっていました。

相手がいい人
千代もその話に
大変賛成だったので
年が明けて
初春に祝言を上げることにしました。


2008年04月20日(Sun)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その140

長編小説「昭和」 その140

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

かたや 武蔵の方は
努力というか
がんばりというか
ふたり前いや さんにん前の
働きをいます。
清兵衛が夫婦ふたりで成しえたものに対し
武蔵は一人で短期間に
相当な財を貯めたのです。

武蔵には
夢がありました。
清三が
散財してしまった
川野家の再興です。
いつしか大地主とまでいかなくても
地主になりたいと考えていたのです。

千代やけいも
そんな武蔵の
夢を理解して
無駄使いなどしませんでした。

除隊して
5年が経ったときには
少しの土地ならかえるぐらいためていたのですが
農業と酒造会社の勤務とは
兼業をできないと考え
もう少しお金を貯めてから
ということにしたのです。

それから少し経って
けいが尋常小学校を
卒業するとしになりました。

父親代わりの
武蔵は
女学校に行くことをすすめましたが
けいは武蔵の夢がわかっているので
働き始めたのです。

武蔵にとっては
悔しい思いで
12歳から働く
けいを見ていました。

でもこの けい の決断は
結果的には
良い判断だったんです。


2008年04月19日(Sat)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その139

長編小説「昭和」 その139

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

一方勇治は
武蔵と入れ替わりで
同じ
福住の連隊で
兵役につきます。

一年目から
勇治は
要領よく動いて
新兵を
いじめる役の
片棒を
担ぐことになります。
軍人勅語
もじって
「要領をもって本文とすべし」
などと考えていたのです。

2年目になると
ますますエスカレートしていきます。
そして
2年目の夏に
北支に転戦すると
その
矛先は
現地住民に
向かうのです。

(著者注:
帰ってから
けいに
この従軍の詳細を
話すのですが
あまりにも非人間的で
残酷なので
割愛します。
読者の皆様は
類推してください。)

こんな勇治だったからでしょうか
勇治は
2年で除隊し
その後予備役で
一度も召集されることはありません。



2008年04月17日(Thu)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その138

長編小説「昭和」 その138

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

がんばって働いた武蔵は
それなりの
努力が報われ
平和な毎日を過ごしていました。

武蔵がいると
勇治は
千代には近づきません。

けいも
「武蔵兄さん」と言って
大変なついていました。
背丈は六尺もある
武蔵に
おんぶされると
けいは
大変 気持ちが良かったのです。
肩越しに見る
景色は
晴々として
甑岩に住んでいた頃とは
本当に一変しました。

武蔵は
学問が好きでしたが
親の清三に対する
反発もあったのでしょうか。
高等小学校を卒業すると
すぐに
奉公にでて
家を後のしていたのです。

そんなことで
武蔵は
けいには
がんばって
学校に行くように勧めたのです。
それに答えるように
けいの学校での成績は
良かったようです。




2008年04月16日(Wed)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その137

長編小説「昭和」 その136

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

清兵衛の孫である
武蔵は
努力家で
勤勉で
勉強熱心です。

清兵衛とは
時代が違いますのが
武蔵は同じように
働き始めたのです。

酒蔵で
杜氏の下働きからはじめました。
もの覚えが良くて
人あたりが良い
武蔵ですから
直ぐに
杜氏に認められ
重用されます。

3年目の春になったとき
それなりの給金を
もらうようになり
寮から出て
家を借りれるようになりました。
そこで
武蔵は少し無理をして
大きめの家
と言っても
6畳が二部屋ですが
借りることになったのです。
千代やけいを
呼んで
一緒に住み込みはじめたのです。

けいにとっては
転校ですが
不安はなかったのです。

2008年04月14日(Mon)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その136

長編小説「昭和」 その136

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

武蔵が兵役から帰ってきたとき
勇治は
わけのわからぬ
組長に貢いでいたのです。

はっぴを着て
武蔵のところにも
見せびらかしに来ました。

勇治のことを良く知っている
武蔵ですから
適当に勇治をやり過ごしていました。

兵役から帰って
数ヶ月経ったころでしょうか。
清三が死んだのです。
時々
清三のところを
見に行っていた
武蔵ですが
そんなそぶりはひとつもなかったので
驚いてしまいました。

一方勇治の方は
清三の死を
間近なものに感じていました。
あまり清三とは
会っていなかったのに
清三が死ぬことを
予感していたのです。

でもそんなふたりですが
いずれのふたりも
清三の葬式には
出ませんでした。
ふたりは別々の理由で
清三を恨んでいたのです。
そして懐かしんでいたのです。


2008年04月13日(Sun)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その135

長編小説「昭和」 その135

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

武蔵が
軍隊から帰ってくると
もう今津には家はなかったのです。

母親の千代と一番下のけいは
甑岩の実家の
納屋に住んでいました。

武蔵には
大方予想されたことですが
残念でなりません。
だからと言って
優しい武蔵のことですから
父親の清三を責める気にもなりませんでした。

武蔵は
今津の近くの
酒蔵に住み込み
下働きのようなことをして
母親の生活を
少しでも助けるようがんばって働き始めたのです。

しかし
兵役から帰ったばかりで
経験がなくて
技術もない武蔵の賃金は安いものでした。

その上
千代に送ったお金の大方は
勇治が持って行ってしまうのです。

それでも武蔵は
勇治を責めることもしなかったのです。

底のないバケツに水を入れるようなもので
武蔵の努力は
徒労に終わることになるのです。

2008年04月12日(Sat)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その134

長編小説「昭和」 その134

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

勇治がやくざの世界に入って
わけのわからぬ
組に属していた頃
兄の武蔵は
兵役が二年目になりました。

二年目になると
一等兵になります。
そして二等兵を
いじめる役になるのです。
奴隷から
王様に
二年目になる日を境目に
変わるのです。

普通のものは
厳しい一等兵になりますが
心の優しい武蔵は
面倒見のいい古兵になったのです。

今で言えば普通の先輩なのですが
当時その世界では
大変優しい先輩だっとのです。

そのうわさは
連隊すべてに広まっていました。
その付いていた二等兵の家族から
大変感謝され
面会の日には
おはぎを山ほどもらったそうです。

そんな軍隊の生活でしたが
武蔵が入営中は
戦争がなかったのですが
段々と
外国との関係が
危うくなって
軍隊の力が
台頭してきたのです。


2008年04月08日(Tue)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その133

長編小説「昭和」 その133

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

昭和40年頃まで
日本の建築は
湿式工法即ち
左官で行う工法が
主です。

壁や床はもちろん
かまどや
お風呂
等も作ったのです。

かまどは
ずっと昔は
土と漆喰で作り
レンガやコンクリートで作るようになります。
いずれにせよ
左官屋さんの仕事で
勇治の仕事が
無くなることはなかったのです。

ところで
左官屋さんは
さかんと読みますが
勇治の住んでいる
地方では
少しなまって
「しゃかんや」
と言うのが普通でした。

仕事をすれば
必ずお金が入る
勇治でしたが
入ったお金は
すぐに使ってしまいます。
その上あまり働かないので
いつもお金が無くて
年老いた千代や
けいを養うことなど無かったのです。


2008年04月07日(Mon)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その132

長編小説「昭和」 その132

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

当時の左官屋さんが
漆喰を塗るときには
少し変わっているかも知れません。

まず海の海草の
ふのりを
大きな釜で炊きます。
ふのりを炊くと
ねっとりした液体になります。

その液体で
石灰を練ります。
麻の繊維であるすさを混ぜて
もっとねっとりさせて
塗る素を作ります。

それを
左手に持った
板のようなこて台の上に載せます。
それから
右手の左官ごてで
巧みに練って
こてにつけて
中塗りの上に
薄く塗ります。
厚さは
一分(3mm)です。
それで別名一分と言います。

単純に
塗ると言っても
素人ではもちろん塗れません。
すばやく均一の厚さに塗るのは
難しいのです。

ゆっくり塗れば
直ぐに水が引いて
硬くなって
均一に塗れません。
左官屋さんは素人ではなかなかできない
仕事です。


2008年04月06日(Sun)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その131

長編小説「昭和」 その131

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

勇治が選んだ
左官という職は
今では少し光の当たらない職業になってしまいましたが、
当時はなくてはならない仕事でした。

壁を土塗り壁で作るのが
当たり前のことでしたから。

最近健康上の事柄で
呼吸する壁の代表である
しっくい壁を
左官屋さんを
作っていたのです。

勇治は
直ぐに上手に塗れるようになっていました。

当時の左官の仕事を
少し説明すると
まず壁土に
水を混ぜ
こねます。
適宜わらや
古縄を切ったものを
混ぜます。
そのこねた土を
なるべくながく放置します。
一年以上おいた方がいいそうです。
それを竹を格子状に編んだ
竹小舞の下地に
左官ごてで塗っていきます。

高いところは
下から放り上げます。
それは職人技のようです。

それから
藁を加えない土で中塗りをします。

上塗りは漆喰です。



2008年04月04日(Fri)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その130

長編小説「昭和」 その130

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

よねいちの組長は
少し変わった収入源がたんのですが
組員は
数人で
そのすべては
にわかやくざです。
そして
彼らのすべては
正業を持ち
普通に仕事をしていたのです。

組長は
毎月
組員に
上納金を
収めるように言いました。
もちろん役に応じてです。

組長はたくみに
やくざに憧れている
若者から
悪い言葉で言えば
お金を巻き上げていたのです。

勇治にも正業につくように言ったのは
し の ぎ というのですが
上納金を
捻出するために
お金を儲けるためです。

尊敬する組長のためですから
生業に就くことになりました。
清兵衛の孫ですから
本当は努力家です。
勇治が選んだ職は
左官です。

そんな少し焦点が
ずれていますが
職についた勇治を見て
千代は安心したのです。



2008年04月03日(Thu)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その129

長編小説「昭和」 その128

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

よねいちは
やくざがよくするような
賭博とか
出店の場所決めや
用心棒代などというものを
あまりやっていなかったのです。
その理由は簡単で
園田は、
見渡すかぎりの
田んぼが続く
田舎ですから
そんなことをする
人や店がなかったからです。
そんなやり方を
勇治が憧れる
やくざの世界だったのでしょうか。

勇治が
ちょっとおかしな
やくざにあこがれていたのは
親譲りでしょうか。
熱病のように
そして慢性の病気のように
やくざに憧れているのですから。

よねいち組みに入った
勇治は
背中に
大きな代紋が染めてある
はっぴを
もらい上機嫌でした。

組長は
勇治に
正業にも就くように
すすめたのです。
「やくざと言うものは
弱きを助けて
つよくをくじく、、、
決してかたぎさんの
迷惑になってはいけない。
そのためには正業に就け」
と言ったのです。

もちろん言葉は矛盾してますが
この言葉には
裏もあったのです。




2008年04月01日(Tue)▲ページの先頭へ
長編小説「昭和」 その128

長編小説「昭和」 その128

前書き  今までのあらすじ
その1からその118まで まとめたもの

千代とけいは
また汽車に乗って
帰って行きました。

武蔵が かごの鳥になっている時
一方勇治は
やくざの道に進んでいたのです。

ホンマもんの
やくざを
めざしたのです。

勇治が
親分と考えていたのは
けいには後でわかるのですが
園田に住んでいた
「よねいち」(漢字でどのように書くかわかりません)
と呼ばれるやくざです。

その
「よねいち」の
収入源は
今で考えると
少し替わっていますが
この手の商売は
こんなものかもしれません。

よねいちは
藻川の堤防の岸に
一家を構えています。

二階建てで
藻川が一望できます。
だからといって
そこで魚を獲っているというわけではありません。
じっと藻川の砂を見ているのです。

当時は前にも言いましたが
車というものが
発達していなかったので
砂を買うのは大変でした。
それで川の砂を
使うのです。
でも今も昔も同じように
川の砂を無許可で
盗ることは
禁止されています。

誰かが藻川の砂を取りに来ると
警察に通報するのです。

それで
砂を取りに行くときには
よねいちに
お金を持っていかなくてはならないのです。
お金を持っていくと
警察に通報されないのです。

言うなれば
他人のものを
売ってお金を儲けているような
商売です。

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