ロフト付き は、おもしろい - 2016/12

ロフト付き って良いですよね。隠れ家というか何というか。
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『心をダイヤモンドのように
清らかで堅くて光るもの
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神様が見ていて
助けてあげるようにと
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2016年12月31日(Sat)▲ページの先頭へ
ブログ小説「妖精の休日」その4

星子と
剛は
来住家の
隣に
家を建てて
住み始めていました。

もちろん
魔法を使って
違和感なしに
住み始めたのです。

剛は
定年退職した
老人
星子は
ものすごく歳の離れた奥様ということに
なっていました。

一日中
家にいて
恩給暮らしと言うことに
なっていたのです。

当時の
定年は
55歳ですから
55歳という設定です。

星子は
40歳ということになっていましたが
今で言えば
美魔女
とても
40歳には見えない
容姿でした。

湖子が
生まれるまでは
殆ど仕事もなかったので
星子と剛は
本当に仲良く
過ごしていたのです。

湖子の休日というか
星子と剛の
休日になっていました。

湖子が
生まれたのは
体内に入ってから
6ヶ月経った
昭和27年6月でした。

弥生が
産気づき
白米を炊いて
たんと食べて
初産に臨みました。

家に
産婆さんがやってきて
さっさと
手伝って
次があるからと言って
バスで
帰ってしまいました。

そんな簡単に生まれた湖子は
男の子でした。

湖子は
いつもの
女性ではないので
凄く違和感を思えました。

湖子が生まれた
来住家は
大阪駅まで
徒歩と電車で20分ほどの
所にありました。

しかし
当時は
寒村と言う言葉が
ピッタリ当てはまるところで
電気だけが通じていて
水道は
まだ来ていませんでした。







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2016年12月30日(Fri)▲ページの先頭へ
ブログ小説「妖精の休日」その3

お母さんの
母親のお腹は
とても気持ちが良かったのです。

「こういうことを
幸せって言うのかも知れない

ここで
休暇を過ごせて
最高に幸せ」と
思いました。

そんなお腹の中で
湖子は
家族の話を聞いていました。

そんな話を聞いていて
湖子には
気になる話を
聞いてしまいました。

喜んでいるのは
喜んでいるのですが
弥生以外は
「男の子がいいな」と
言っているのです。

来住家の
跡取り取りとしての
男の子を
みんなは望んでいました。

本心が読める
湖子ですから
弥生は
「男の子でなかったらどうしよう」と
悩んでいました。

湖子は
はじめは
いつも
人間界では
女性として
現れているので
女の子として
うまれる予定でした。

何千年も
女性として
現れていたので
男性は
イメージできませんでした。

全知全能になっている
湖子でも
わからないこともあるのだと
自分自身で思いました。

弥生は
臨月の
生まれる前日まで
仕事と家事をこなしていました。

「人間は
とめどもなく
がんばれる」というのを
体内にいて
実感しました。








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2016年12月29日(Thu)▲ページの先頭へ
ブログ小説「妖精の休日」その2

星子と剛は
神さまの前に残ったままです。

星子は
だいたいのことはわかったのですが
剛は
要領をつかめません。

「休暇に付いていくってどういうことか

四分の一は今までの仕事とは

それから
休暇はどれくらいの時間」か
まったくわからないのですが
話は終わったので
ふたりは
星子の魔法で
サッと消えて
経理課へ行って
いつものように
経費を預かって
人間界に出発しました。

長い休暇と行っても
ズーッと
湖子がいなくなると
神政庁に
支障が生じます。

妖精の
長として
仕事もあるので
長時間は無理です。

そこで
時間を遡って
休暇を取るという
人間なら
考えられない方法を
取ります。

剛が生まれた頃に
まず行くのです。

湖子は
胎児の頃から
人間界を
経験することから
はじめました。

湖子の
両親になるのは
不妊で悩んでいた
来住悟と弥生です。

悟と弥生は
大阪近郊で
悟のおじいさん夫婦
両親夫婦
それに
悟の妹と一緒に暮らしていました。

結婚して
3年経ちますが
子供が生まれないので
悩んでいたのです。

湖子が
調べて
その両親の
子供となることになったのです。

妊娠を
知った
悟と弥生は
大喜びです。

もちろん
家族全員で
喜んでいました。






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2016年12月28日(Wed)▲ページの先頭へ
ブログ小説「妖精の休日」その1

神さまは
何億年も
地球を見守っていて
少し疲れました。

いろんな出来事が
わんさかと
起こってしまって
てんてこ舞いになってしまっていたのです。

そこで
もうひとりというか
もうひとつというか
神さまを
作ることにしました。

最初から
作っていたんでは
間に合わないので
神さまのお手伝いをしている
妖精を
神さまにしようと考えました。

妖精の中で
1番古株で
1番信頼している
湖子を
神さまにすることにしたのです。

湖子は
能力は
既に
神さまの域に達していました。

でも
人間界から
はじめて
妖精になった剛を見ていると
人間の感情を
理解することも
大切だと
思ったのです。

そこで
湖子に
人間としての生活を
させることにしました。

湖子と
湖子を少しは助ける様にと
星子と剛を
神政庁に呼んで
次の様に
湖子に告げました。

「湖子
永く
永く
私の手助けをしてくれて
ありがとう

湖子に
休暇を与えます。

人間界で
その間過ごして下さい。

人間界にいる時には
魔法は使わず
過ごして下さい。

それから
休暇をするのは
湖子の四分の三で
残りの四分の一は
今まで通り
手伝って下さい。

それから
星子と剛を
一緒に」と
言われました。

湖子は
いつものように
「承知しました」と言って
人間界に
行ってしまいました。


2016年12月27日(Tue)▲ページの先頭へ
ブログ小説次回作は「妖精の休日」を掲載します。

何も期待されていないと思うし
たぶん読んで下さる方も
殆どないとは思いますが
「大切な彼女は突然に」は
終わってしまいました。

後に残った人
先に逝った人
そんな人達の
心情は
まったく描写できなかったけど
皆様ご自身で
ご想像下さい。

さて
私が生きている限りは
ブログ小説を書きたいと思います。

と言うわけで
終わってしまった
「大切な彼女は突然に」の
次回作として
「妖精の休日」を
書いてみようかなと思います。

妖精を
テーマにした
ブログ小説は書いておりますが
その中に出てきた
「湖子(ここ)」を主人公にしております。

神さまの
お手伝いとしての
妖精ですが
その中で
湖子は
1番頼られる妖精です。

何千年も
休みなく
働いてきた湖子は
神さまに
休暇を与えられます。

と言うわけで
湖子は
胎児から休暇が始まります。

神さまは
湖子の助けになる様に
まだまだ新米の星子と
夫で
はじめて
人間から妖精になった
剛が
同行することになったという
筋書きです。

人間界に
使いとして
おいでになった
キリストをモデルにしています。


キリスト教を信じておられる方には
少し冒涜のように
思えるかも知れませんが
お許し下さい。



湖子星子剛の関係は 「妖精の認定テスト」をご覧下さい

2016年12月26日(Mon)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その72最終話

彼女の名前は
由美(よしみ)と言います。

由美子から
子を取った名前で
由美子も
妹のように
感じていました。

身長も
150cmもないので
由美子には
妹がないけど
妹のように
可愛い女性だと思っていました。

試験の結果は
12月の半ばに
インターネット上に
発表されます。

名前もです。

ふたりの名前はありました。

上窒ノは
両親から
すぐに
お祝いの電話がありました。

会社の上司からも
呼び出されて
結果を聞かれました。

上窒ヘ
春から
資格手当を
支給され
主任に昇進することになりました。

上窒ヘ
お給料が上がって
うれしく思いましたが
そのことを
喜んでくれる人の中に
由美子さんがいないことを
悲しく思い
また涙しました。

合格したけど
思い出して
年末は
憂鬱な時間を過ごすのかと
考え込んでしまいました。

一方
年末は
仕事が
忙しくて
人手が足りませんでした。

そこで
会社は
新たに
一級建築士を
雇い入れました。

12月24日
休み明けに
やって来た
一級建築士は
小学生のように小柄な
女性でした。

課長に紹介され
「はじめまして
金場由美(かなばよしみ)と言います。
よろしくお願いします。」と
挨拶しました。

最後列見ていた
上窒ノは
顔がよくわかりませんでした。

席は
上窒フ
隣です。

やって来て
「よろしく」と
挨拶して顔を見合わせました。

お互いに
わかりました。

上窒フ方は
小さくて
狭い場所でも
製図ができる人と
由美は
ミカンを試験に持って来た
少し変な人と
思っていました。

何か近親感を
感じつつ
その日の夕方
歓迎会と忘年会が
ありました。

席が隣で
上窒ニ由美は
なんだかんだと話して
試験のことも
話しました。

「小柄で
製図の試験は
有利ですよね」と
上窒ヘ
由美に話すと
由美は
すこし「むっ」とした表情を
見せました。

上窒ヘ
慌てて
「僕は
狭くて大変だったんだ」と
話すのが
精一杯でした。

「そんなに慌てなくても」と
由美は答えました。

ふたりは笑って
その場は
終わりました。

忘年会が
終わって
帰りことになります。

方向が同じ上窒ニ由美は
幹事の手配で
同じタクシーで帰りました。

タクシーの中でも
建築の話を
していました。

先に着いた
上窒ヘ降りて
由美は
「お休みなさい」と
言って別れました。



それを見ていた
由美子は
「なぜ
部屋に
誘わないのよ

良い雰囲気だったのに

きっと
うまく言ったはずなのに

これから先も長いんだから
うまくいくだろう」と
思ったというか
感じたというか
そう言うことを
したのです。


この先
上窒ェ
由美子の意思を汲んで
由美と
仲良くなったかどうかは
皆様の
想像にお任せします。

また
来年の
クリスマスの時にでも
この続きを
書いてみようかとも思いますが
もちろん
私が生きていたらという前提があります。

読んで頂き
ありがとうございました。

     著者敬白


2016年12月25日(Sun)▲ページの先頭へ
クリスマス企画ブログ小説「大切な彼女は突然に」その71

天界から
やって来た
由美子が見ていたのです。

「優さんは
あの時と一緒よね。

進化がないというか
実直というか

だから
いい人なのよね」
と
考えながら
近くから見ていました。

「優さんが
疑っている
死後の世界

教えと
少し違うんですよね。

『光になって
見守っていると』と言うことに
なっているけど
少し違うんだよね

なってみてわかったんだけど
光とは
少し違う様な気がするし
見守っているというのも
少し違う様な気がする。

もっと積極的じゃないかな

私は
優さんに
幸せになって欲しい
だから
こんな偶然作ってみたんだよ

彼女はいい人だよ

きっと
彼女なら
優さんは
私の時と同じように
幸せになると
思うんだ。

探すの苦労したよ

受験者の中から
選抜することにしたんだ

建築士の国家試験は
申し込み順に
受験番号が
付けられるのではなく
ランダムに
付けることになっていて
その
ランダムを
利用しているんだよ。

ランダムは
私の力で
何とかできる技術らしい

エンジェルさんに
教えてもらったんだ


でも
ふたりとも
合格しなきゃ
この先は
続かない
ストーリーになっているんだよ。

彼女はともかく
優さんは大丈夫かな

私の力では
そんな事ができないらしいので

心配です」と
つぶやいたというか
思ったというか
そう言うことを
由美子はしました。


由美子が
意図したように
彼女は
上窒ノ
興味を持ち始めたのです。

はじめは
由美子と同じように
「ばかじゃないの」と
思ったのです。











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2016年12月24日(Sat)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その70まで

その70からクリスマス企画になっております
少しファンタジックになっています。
地球に住んでいる
生き物の
命の将来は
全く予想だにもできません。

同じように
この地球上で暮らす
人間も
同じです。

「朝に紅顔ありといえども
夕べには白骨となる」
身です。

大切に思った人でも
その例外ではありません。

逝った人も
先立たれてしまった人の心情は
どうだったんだろうと
思って
この駄作を
書かして頂きます。

50話で
由美子の
幸せになった
人生は
終わりになります。







あらすじ
大場由美子は
高校生の
ちょっとした出来事で
男性不信となります。

何もなく
その日一日が
送れることが
幸せだと
思うようにしていました。

そんな由美子は
時間が余ったので
資格試験を受けることになり
そこで
ある男性に出会います。

試験の結果は合格です。

でも
その結果を喜んでくれる人は
いませんでした。

ひとりでお祝いに
試験場の学食を
食べに行って
また男性に会ってしまいます。

いろいろあって
映画を
見に行くことになったのですが
、、、、、、、

映画に感動して
友達として
つきあっていくことなりました。

それとは別に
由美子は
大学に行きたくなってしまったのです。

大学で出会った
上苧Dに
プロポーズされて
その上
大学への
学費も出すと
言ってくれたのです。

由美子は
上窒フ深い愛情に
求愛を受け入れ
結婚することになりました。

大学受験にも
がんばることになりました。

大学に合格して
結婚
上窒ニの
幸せな
人生の始まりです。

しかし
人生は
一瞬にして
終わることもあります。

交通事故に遭って
幸せの
絶好調の時に
亡くなってしまうのです。

上窒ヘ
「よとぎ」のときに
夢の中で由美子に会います。

夢の中の
由美子は
「幸せだった
優さんも
しあわせになってね」と
話していました。

でも
由美子を忘れることができず
上窒ヘ
暮らしていました。


1
彼女は
大場由美子
23才です。

地元の高校を出て
ネット通販の会社に勤めて
5年
仕事にも慣れて
先輩には信頼され
後輩からは
慕われるようになりました。

毎日が楽しくて
日々生活していました。

由美子の会社は
週休二日制です。

休みの時には
家で
スキルを高めるために
勉強していました。

ネット業界は
日進月歩で
今の仕事が
いつまで続くか
わからないからです。

そんな用心深い
由美子だったのですが
用心深いと言うだけで
冒険をしなかったわけではありません。

それには
高校生の時の
経験が
トラウマとなっていました。

高校二年生の時に
憧れの先輩が
水泳部にいました。

由美子も
すっごく
好きになっていて
泳ぎは苦手なのに
由美子も
二年生になってから
水泳部に
入りました。

水着に着替えて
プールへ行きました。

憧れの先輩が
準備体操をしていました。

由美子も
同じように
準備体操して
体を濡らして
練習を始めました。

3年生から
順番に
泳ぎ始めました。

レベルが高くて
コーチが
いろんな事を
アドバイスしていきました。

由美子は
新入りですから
一番最後でした。

飛び込みができませんので
プールに入って
クロールで
泳ぎ始めたときに
そのことは
起こったのです。

2
みんなが見ているまでで
泳ぎ始めました。

水温が冷たくて
体が
あまり動きません。

足が
少し吊ったようになりました。

日頃運動していなかったのが
悪かったのでしょうか。

足が
動きにくくなって
半分溺れたように
手足を
バタバタしたのです。

それを見ていた
コーチは
怒って
怒鳴りつけました。

「遊ぶな
上がってこい」と
怒鳴りつけました。

由美子は
恥ずかしくて
顔を真っ赤にして
上がってきました。

それを
先輩は
笑っていました。

そして
由美子が
先輩の横を
すごすごと
通ろうとしたときに
その先輩が
小声で
「真剣にやってもらわないと
遊びなら
やめてほしい」と
言ったのです。

高校生の由美子は
ショックでした。

相当覚悟して
水泳部に入って
水着に着替えて
出てきたのに
そんないわれかたを
されて
ショックでした。

更衣室で
涙が
出ました。

その日以来
人を好きになることを
やめました。

どんなに
ステキな人が
現れても
見ないことにしました。

職場も
女性と
中年の男性ばかりで
由美子は
良かったと思いました。

3
職場では
女友達とは
仲良く付き合っていました。

何度も
合コンに誘われて
断り切れなくて
行くことになりました。

初めてですので
緊張しました。

友達の
後ろに付いていたというのが
いいかもしれません。

自己紹介も
おおざっぱに
由美子は
言いました。

相手の男性陣は
なかなか
場慣れしていて
なれなれしく
由美子に
話しかけてきました。

由美子が
嫌がっていても
お構いなく
話しかけて
困惑してしまいました。

やっと終わって
よかったと思ったら
二次会に誘われましたが
固持しました。

そんな事があってから
友達の女性陣には
「ノリの悪い子」と思われ
男性陣からは
「近寄りがたい女」と
思われてしまいました。

そして
二度と
合コンには
誘われなくなりました。

由美子は
それは好都合と
思って
殻の中に
閉じこもるようになってしまったのです。

4
そんな由美子を
両親は心配していました。

親は
適齢期になったので
見合いの話を
勧めたのですが
全く乗り気では
ありませんでした。

親は
心配していましたが
まだまだ
若いのでいいかと
思いました。

親公認で
結婚しないように
なってしまって
ますます
異性を
意識しないようになりました。

朝起きて
食事をして
混んだ電車に乗って職場に行き
いつもの仕事をして
終業のチャイムで
退社して
家に帰る決まり切った
生活パターンが
由美子は良いと思いました。

毎日
同じ事ができるのが
幸せだと思うようになりました。

時間が余るので
スキルを高める
勉強をしていました。

休みの日には
部屋の掃除や
お料理を作っていました。

それでも
週休二日制では
時間がありあまるので
図書館に
勉強のために
行っていました。

勉強は
学生の時には
あまり好きではなかったのに
不思議だと
思いました。





5
嫌いだった勉強も
できるようになって
もっと勉強して
お医者さんにでも
なろうかと
思ったのですが
やめておきました。

学費が続かないだろうと
思ったからで
学力が
不足だとは
なぜか思いませんでした。

医師を目標とすべき
理由もなしに
医師になるのは
少し心がとがめました。

やはり今の仕事で
技術を
磨くのが
いいと思いました。

そこで
IT業界に勤める
由美子は
IT関連の資格を
取ることにしました。

取ったからと言って
由美子の勤める会社では
資格手当が
支払われることも
ないのですが
そんな事しか
考えつかなかったのです。

猛勉強と言うより
時間を
もてあましての
勉強だったのですが
どういう訳か
うまくいったのです。

試験場では
時間が余ったので
他の受験者を
観察していました。

やはり
若い人が
断然多く
30歳過ぎの男性の方が多かったです。

そんな男性の中に
少し
神経質で
最後まで
答案用紙を
見直しているようでした。

その見直しが
何か独り言をいうように
ブツブツいっていました。


6
「独り言を
そんな大きな声で
いうなよ」と
由美子は思いつつ
そう言えば
私も言っているかも知れないと
思って
思わず
笑ってしましました。

そして
試験のことを考えずに
独り言をいっているかどうか
考えました。

はやり
独り言を
言っていっていました。

やはり注意しないと
いけないと思いつつ
考えていると
時間が来て
試験が終わりました。

途中退席を
大方の人はしていて
由美子の近くは
例の
ブツブツ言う
男性だけでした。

試験官が
答案用紙を集めてきて
数量を確認するまで
座っていました。

見るともなしに
見ていたら
男性は
筆記具を
鞄の中にしまうときに
リンゴとミカンともうひとつが
入っていたのです。

普通
試験場に
ミカンはいいとしても
リンゴは
普通持ってこないと思ったのです。

そして
もうひとつのものなど
絶対に持ってこないと思いました。

もちろん
受験要領の
持ち込み禁止の中に
そんなものは
入っていないことは
わかっていました。

またまた笑ってしまいました。

笑ったところを
見られてしまったのです。

恥ずかしくなりました。


7
目と目があって
軽く会釈してしまいました。

その男性は
そそくさと
前のドアから出ていったので
由美子は
後ろのドアから出ました。

試験が行われているのは
有名な大学で
高卒の由美子は
見るもの
聞くもの
新鮮でした。

調べると
学食が
有名で
一般人でも
食べられるので
行ってみることにしました。

案内図を参考に行ったので
ぐるっと回って
学食に到着すると
日曜日で
休みでした。

前の
コンビニは
営業していましたが
用がないので
帰ることにしました。

残念と思いました。

もし
試験が合格していたら
お祝いに
休みを取って
学食に食べに来ようと
思いました。

駅まで歩いていると
前を
例の男性が
歩いていました。

駅に着いて
電車を待っているときも
前に例の
男性がいました。

同じ電車に乗って
途中で
乗り換えです。

その男性は
乗換駅で
サッサと下りて
由美子の前を
歩いて
次の
電車も一緒でした。

由美子は
ストーカーかと
思いました。


8
ストーカーは
つきまとう人のことですから
前を歩く
あの男性は
そう言う定義からすると
ストーカーではないと
おもいました。

むしろ
自分がストーカーではないかと
思ったのです。

気になって
見ていると
かの男性は
鞄からミカンと
ティッシュを取りだし
ミカンの皮を
ゆっくりと剥き始めました。

白いところを
ジックリと
取り始めました。

それを
見ていて
由美子は
笑いがこみ上げてみました。

ミカンと
関わっている
男性を
食い入るように
見ている
自分が
面白くなったのです。

そんなの見てどうすると
思ったのですが
気になって仕舞って。
見てしまったのです。

見るべきでないとわかりつつ
見ていると
一袋ずつ
食べて
ゆっくりと
ティッシュを片付けました。

駅到着すると
降りていきました。

由美子の降りる駅の
ひとつ手前でした。

もうこれで
見なくていいと
思いました。



9
由美子は
電車降りて
階段を下りていく
男性の横顔を
電車から見ていました。

壮観な顔つきで
男という
感じでした。

男性に不信を持つ
由美子は
男性を
じっくり観察することなど
高校以来
初めての出来事です。

観察して
その結果は
わかりませんでした。

だって
同じ試験を受けて
試験場に
リンゴとミカンと
もうひとつを持ってきていて
隣の駅に
住んでいるということしか
わからなかったからです。

情報が
全く少ないと
思いました。

そんなことを思いつつ
一日が過ぎ
翌日は
同じような毎日の始まりです。

今回の試験が
合格すれば
次は何よしようかと
楽しく
悩んでいました。







10
日々
平常心の
日常が
過ぎていきました。

由美子の
父や母は
平常・普通・変わりないが
一番いいと
口癖でした。

その流れで
由美子も
毎日同じが
一番いいと
思うようになりました。

そんな日常が過ぎて
発表日がやっていました。

会社で私的な
ホームページを
見る事は禁止されていて
ディスプレイが
録画されていて
監視員までいたのです。

スマホがない時代でしたので
由美子は
楽しみしながら
家に帰りました。

家に帰って
すぐに
パソコンを見ました。

由美子の
受験番号
を見付けました。

初めての
国家試験合格で
嬉しくなりました。

運転免許も
持っていないのに
これに合格するなんてと
わけの分からぬ事を
思いつつ
喜びました。

両親にも
それをすぐに
話しましたが
全然
感動も
おめでとうの言葉も
ありませんでした。

両親は
そんな事より
結婚することを
勧めていたのです。

会社に行って
上司や同僚に話しましたが
別に
反応は
ありませんでした。

あんなに努力したのに
誰も
感動してくれないって
何か
虚しく感じました。







11
小さい時から
そうだと思いました。

兄は
少しのことでも
誉められても
妹の由美子は
誉められなかったように
記憶していたのです。

由美子は
自分で
自分を誉めてあげようと
思いました。

試験の時に
合格したら
学食に
食べに行こうと
決めていたことを
思い出しました。

翌日
課長に
休暇願を出しました。

課長は
有給休暇の
消化が
低い由美子の
休暇願を
喜んで承認しました。

連休にしたらと
言ってきたくらいです。

でも
一日だけにして
朝から
大学に行くことにしました。

母親に
「今日は
休んで
遊びに行きます」と
言うと
驚いていました。

病気とか
冠婚葬祭以外で
休んだことがないので
驚いていたのです。


電車は
学生で
混んでいました。


12
混んだ電車の中は
学生で一杯でした。

みんな携帯を見て
メールをしていました。

「今時だな」と
思いました。

結構
由美子も若いのに
そう思ったのです。

大学に到着すると
昼のランチまでは
まだまだ時間があったので
学内を
見て回りました。

図書館があったので
中に入りました。

学生風なら
何のおとがめもなく
中に入れたので
図書館の
一番にいい席に
座りました。

外が見渡せる
窓際の席で
図書館内部も
見渡せました。

雑誌を
書棚から取りだして
見るとはなしに
大学生を見ていました。

みんなは
学生生活を
楽しんでいる様子でした。

懐かしいような
気分になりました。

秋晴れの天気が
そう思わせたのかも知れません。

ランチが始まる時間になったので
学食に行って
Aランチの食券を買って
トレーに載せてもらって
空いていたので
ここでも一番いい席に
座りました。


13
由美子は
いつも
食事は
ゆっくりです。

両親が
食事は
ゆっくりと
食べるように
指導していたためでもありました。

由美子は
ゆっくり食事をしていると
大学の授業が
終わったのか
ドッと
学生がやってきて
みるみるうちに
席は
一杯になりました。

4人掛けの
テーブルに
最初筋向かいに女性が
次に隣に女性が
そして
向かいに男性が
トレーを持って
座りました。

由美子は
窓の外を
見ていたので
どんな人が
座ったかは
わかりませんでした。

なにげに
目を
正面に移すと
男性が
食事をしていて
目と目があって
思わず
「アッ」と
小声で
言ってしまいました。

例の男性だったのです。

男性の方も
わかったのか
同じように
驚いた様子でした。

由美子は
少し汗が出ました。

窓の外をみて
やり過ごそうとしました。

しかし
男性が
声を掛けてきたのです。
14
「試験受けていましたよね。
どうでしたか」と
尋ねてきたのです。

無視するわけにもいかず
少し愛想笑いをして
「試験合格しました」と
小声で答えました。

これで
会話が終わりと思っていたのですが
なおも
話しかけてきたのです。

男性:
それはよかった。

僕も合格したんですよ。

昨年より少し易かったように
思います。

以下()内は由美子の
独り言です。
すこし
下品に表現していますが
由美子は
お上品な性格です。

(あなたが
合格したかどうかとか
問題が易かったとか
そんな情報要らないわ)

由美子:
よかったですね

男性:
そうなんです

二度目なんです

苦労が報われてよかったです。

あなたは何回目ですか

(バカじゃないの
あの程度なら
1回で合格しろよ

勉強しなかったのかよ
私なんか)

由美子:
一回目です

男性:
頭いいんでね
僕なんか
ダメですよ

(そうそう
ダメダメね

顔も普通だし
頭ももうひとつ
いいところないじゃないの)

由美子:
そんな事ないです
私が
合格したのは
運です。

(本当は
もちろん
実力と
努力)

男性:
そうかもしれませんね

(バカにされた??

何を言うの
この男!!!

実力と言えよ)

由美子:
そうですね

男性:
何学部ですか

(このバカ
そんな事聞くな

本当のことを
言えないだろう)

由美子:
それは
、、、、、


男性:
当てましょうか

IT関係ですよね

情報処理学科でしょう

(なんで
そんな推理なの

仕事はそうだけど

そこまで推理するか
当たっていないし
面倒な人だ

これに乗ってやろう)

由美子:
えっ
えー

男性:
図星でしょう
勘だけは
当たるんですよ

これから
授業ですよね。

(全然当たっていない!

何を勝手に
言っているんだ。

早くどこかに行けばいいのに)

由美子:
いいえ
帰るところです。

男性:
いや
当たらなかったな

僕
工学部の
4年生で
上苧Dといいます。

メルアド
交換できませんか

(突然
何を言うのこの男は

メルアドなど
交換できるわけないでしょう

でもこの場は
使っていない
フリーメールアドレスでも
教えておこう

こんな時のために
用意していてよかった。)

由美子は
携帯を取りだして
メルアドの交換をしました。

男性:
私も帰りますので
駅まで
一緒に行きませんか

(何をおっしゃるの

あきれたものだわ)

由美子:
友達と
待ち合わせているので
それはちょっと

男性:
そうですか
残念です。

15
名前
何というのですか
教えて下さい。

(個人情報を
聞いてくるな

ハンドルネームでも
言っておこうか

でも
信じないし
何がいいかな

こっち見ている

面倒だよね)

由美子:
大場です

男性:
大場さんですか

大場と
上窒ヘ
似てますよね

(「ば」だけじゃないの
大と
上は
全然違うじゃないの)

由美子:
そうですね

こんな話が
30分以上続いて
由美子は
約束の時間だからと
言って
やっと
その場を立ち去りました。

高校以来
男性と
仕事以外で
話したことは
親以外ありません。

冷や汗だと
思いつつ
よくもまあ
「突っ込んだよね」と
思いました。

由美子は
電車に乗って
帰りました。

家に帰ったら
3時頃で
おやつをたべながら
昼の出来事を
考えました。

値段は安いですが
学食の
Aランチの
味は
普通でした。

そんな事より
ナンパされたことが
記憶に残りました。

「私って
女としての
魅力があるのかしら

えへ

やはり
私は
美人のだ」と
思いました。

そう思うと
何か嬉しくなりました。

「でも
もう少し
イケメンに
ナンパされたかったな」とも
思いました。
16
大学での
楽しい雰囲気が
忘れられません。

大学へ
行きたいと思いました。

高校生の時は
もう勉強は
いいと思っていたのですが
やはり
一度は
大学生になってみたいと
思ったのです。

大学生になるには
ふたつの障壁が
あると思いました。

ひとつは
お金です。

学費も
生活費もいるし
今の蓄えは
500万ほどなので
学費に
300万以上使えば
4年間の
生活費は
200万円ほど
しか残りません。

食費と
その他の費用が
年50万円では
少し心細いと
思いました。

両親に
反対されて
家を出なければならなくなったら
お家賃もいるし
そうなると
もう絶対に無理だと
考えました。

それに
もうひとつの
学力の問題です。

高校時代は
成績は
よくなかった由美子には
高い障壁です。

やはり大学には
無理かと思いました。

夜間大学は
殆どなくなってしまったし
やっぱり
大学生は
無理よね







17
でも
やっぱり
大学生は
優雅でいいよねと
思い続けていました。

インターネットで
何かいい情報がないかと
調べていると
ユーザー登録すると
いろいろと調べられる
サイトを見付けました。

そこで
例の
フリーメールアドレスを
使って
登録しました。

承認するメールが
届くので
フリーメールを
見る事にしました。

いろんな迷惑メールが
やって来ていました。

パーと見てみました。

その中に
「大場さん今度映画でも」という題の
メールが
何通もやって来ているのです。

いつもなら
やり過ごすのですが
何となく見てみました。

どう見ても
大学で出会った
例の男性
確か
上窒ニか
言ったのでしょうか。

毎日
決まって
1通ずつで
5通も
来ていました。

どうしようかと
考えました。

このままやり過ごそうか
それとも
返事をしようかと
思いました。

メールの中に
見たい映画の
題名が書いてあったのです。

その映画
見たかったと
思ったのです。

映画館に
ひとりで行くと
何となく
隣の
カップルが
気になって仕舞うのです。

そこで
映画に行くのを
ためらっていました。





18
「上窒ウんを
利用して
久しぶりに
映画でも
見に行こうかと
思いました。

ひとつだけ
心配なのは
由美子が
学生だと
思っていることでした。

学生だとは
言っていないのに
勝手に
そう思い込んでしまったのです。

「やはりここは
告白

告白ではなく
連絡しないと

OLだと
メールで
まず伝えないと」と
考えて
ささっと
メールを送りました。

送ったら
つかさず
返信が来ました。

「早
何と言うこと
そんなに早く
返信できるって
勉強しろよ」
と思いつつ
メールを見ました。

「知っています。

すぐに
情報処理学科に行って
確認しました。

大場さんは
私が
最初予想したから
恥をかかさないように
そうしたんだよね

大場さんて
優しい人なんですね

友達に
なりたいです」と
返信してきたのです。

「何と言うこと
お人好しの
人ね

単に
邪魔くさかっただけなのに

上窒ウんは
本当に良い人かしら

それとも
単純なバカ

どちらでもいいわ」と
思いつつ
映画に行く
メールを
送りました。





19
タイタニックでも
見に行こうかと
思いました。

すぐに返信がやってきて
行くに日が決まりました。

次の日曜日に
隣の駅で
待ち合わせることになりました。

どんな服を着ていこうかと
悩んでしまいました。

普通なら
楽しい悩みだと
思うのですが
上窒ヘ
好きな相手でもないし
だから
デートでもないしと思いました。

それなら
どんな服でもいいので
悩やむ必要もないと
思いました。

そこで
試験でも
着た服に
厚着の
セッターを着ました。

秋も深まって
少し肌寒い日でした。

由美子は
厚着をしていたので
寒くはありませんでした。

由美子が
到着するまえに
上窒ヘ
待っていました。

ビシッと
決めた服装で
やって来ました。

かなり薄着でしたが
楽しそうに
待っていて
由美子を見るなり
手を振って
近づいてきました。







20
上窒ヘ嬉しそうでした。

由美子の所まで
やって来ると
少し息が上がっているようですし
顔が
赤くなっている様にも
見えました。

(上窒ウんたら
そんなに興奮してどうするの

それに
全力疾走でもないのに
なぜ息が上がるの)

由美子:
お待たせしました。

上秩F
待ってません

(だいぶ無理しているのが
見え見えですよ)

由美子:
そうですか

よかった

上秩F
今日は
タイタニックですよね

楽しみです。

(本当にそうなの)

由美子:
上窒ウんも
好きだったんですね
よかったです。

上秩F
大場さんと
同じ好みで
よかったです。

(本当にそうかな
映画趣味なんでしょうか

聞いてみよう)

由美子:
最近見られた映画は
何ですか

上秩F
えーっと
たくさん見たし
えーっと

(やっぱりウソね
でも
私も
最近映画見ていないし)

由美子:
たくさんあったら
すぐに出ないですよね
私もそうなんです。

上秩F
そうなんですよ
大場さんは
どんな映画

(えー
そんなこと
自分も知らないことを
人に聞くなー)

由美子:
たくさんあって
すぐに出ません

上秩F
そうですよね

入りましょうか

チケット買っておきました

(やった-
だだで見れるぞ-

気前が良いぞ)

由美子:
ありがとうございました。

ポップコーン
私が買いますので

上秩F
ありがとうございました。

(ポップコーン
だけですんで
うれしい

ポップコーンも
私が全部食べてやるー

えへ)

ポップコーンを持って
ふたりは
映画館へ入っていきました。








21
少し早かったので
真ん中の
中程の席に座りました。

既に座っているカップルが
ポップコーンを
ふたりで
すこしずつ
食べていました。

映画館の中は
暖かいので
由美子は
上の
セーターを
脱ごうかと
思ったのですが
中が
試験日と
同じ服装なので
どうしようかと
悩みました。

でも
だいぶ前のことなので
覚えていないだろうと
思って
上着を脱ぎました。

上窒見たら
じっと見ていて
目と目が合ってしまいました。

上秩F
良い服ですね

勝負服ですよね

(何をおっしゃる
うさぎさん)

由美子:
勝負服って

上秩F
勝負服というのは
大事な時に着る服ですよね

試験日にも
着ていたでしょう

やっぱり勝負服

(えー

そんな風に
理解するんだ

上窒ウんは
ちょっと違うよね

上窒ウんは
この映画も
大事だと
思っているんだ。

なんて
バカなの

私の本心を
なぜわからないのだろう)

由美子:
そんなつもりではないのですが

上秩F
隠さないで良いですよ

(何と言うことでしょう
そんな風に理解するのは
どういう事なのか
わからなくなってしまった

ここはズバッと
聞いてみよう)

由美子:
上窒ウんは
私のことを
どんな風に思っているんですか

(聞いてやったわ
さあどうする
上秩j





22
上窒ヘ
その意地あるそうな
その質問に
速攻で
答えました。

上秩F
好きに決まっているじゃないですか

付き合っているのに
そんな事聞くなんて

もうすこし
ロマンティックな
場所を用意して
プロポーズしようと思っているんですよ

(えっ

私たちが
付き合っている!
そんなバカな

何を言っているのか

プロポーズは
絶対にあり得ない

独りよがりの塊か)

由美子:
私たちは
付き合っていません。

それに
私は
あなたのことを
好きでもありませんし
第一
あなたのことを
何も知りませんし

と言ったところで
映画の
予告編が始まり
話ができなくなりました。

ふたりは
何も言わずに
ポップコーンを食べて
コーラを飲んで
映画を
見続けました。

映画タイタニックは
突然恋に落ちたふたりが
また突然
ひとりが
死んで
引き裂かれるという
内容です。

そんなに突然
好き合うなんて
あり得ないと
由美子は
考えていました。

上窒フ方は
ありぐちな話だと
考えていたようです。

映画の
エンドロールが流れて
明るくなって
ふたりは
顔を会わすと
ふたりとも
涙目でした。




23
ふたりとも
映画に感動して
感情的になってしまったのです。

そんな風になって
黙って
映画館を出て
喫茶店に入りました。

由美子は
席に座って
一呼吸置いて
映画を見る前のことに
やっと思い出しました。

あの続きをしないと
誤解されたままでは
と思ったのです。

そこで
反復しました。

由美子:
私たちは
付き合っていません。

それに
私は
あなたのことを
好きでもありませんし
第一
あなたのことを
何も知りませんし

と言いましたよね

上窒ヘ
映画の世界から
まだ帰ってきていなくて
ロマンティックな世界に
浸っていました。

由美子の質問を
あまり理解していないような
答を
したのです。

上秩F
そんな
そんな事ないでしょう

また冗談を言って

こんど
僕の両親にあってもらうから

説明するね


(全然理解していない
大きな声で
言ってやろう)

由美子:
何を言っているの

私は
あなたのことを
好きでないの

だから
付き合っていないの

それに気付いて下さい

わかりましたか。


上窒ヘ
現実の世界に帰ってきて
「わかりました」と
小声で言ったのです。

その後すぐに
上秩F
付き合っていないことは
わかりました。

だったら
今から
付き合って下さい。

絶対に
あなたを幸せにしますから

(まだわからないみたい
ハッキリ言った方が
いいよね)

由美子:
付き合いません

(またまた言ってやったわ)



24
上窒ヘ
とても
狼狽した様子で
目を
丸くしていました。

困った様子で
頼むように
由美子に言います。

上秩F
わかりました。

すみませんが
友達からでも良いです。

無理なことは言いません。

お願いします。

(ここまでいっても
諦めないのは
本当に
私のことが好きなのかな

可哀想だし
友達になってやろうか

話していて
楽しいし

人助けにもなるし)

由美子:
だったら
友達と言うことで

また映画でも
見に行きましょうか

上秩F
行きます
行きます

映画ですよね

今度は
どんな映画にしますか

やはり
ロマンティックなもの

(誤解されたら困るから
それはダメだよね)

由美子:
ハードボイルドなのが良いわ

上秩F
それも良いですね

マッチョになる様にします。

この後
話は
和やかにすすみ
当然何もなく
ふたりは
別々の駅へと
帰って行きます。






25
「ハードボイルドは
良いですよね。

ドンパチの映画見たら
スカッとしますよね。

必ず行きましょうね。

次の日曜日なんかどうでしょうか

ねっ
次の日曜日」
と言って
去っていきました。

(どうしようかな

まあ
勉強もあるし
次の日曜日は
無理だよね)と考えて
家まで帰りました。

家に帰ると
母親が
「楽しいことあったの」と
言ってきました。

由美子は
母親からは
楽しく見えるのだと
思いました。

やっぱり
上窒ニ
会っていたら
楽しいかも知れないと
思いつつ
「そんなの堕落」と
わけの分からないことを
思いつつ
時間が過ぎました。

メールが
毎日
一通ずつ
やって来ていました。

由美子は
3通で
1通返すようにしていました。

すべて返すと
クセになるから
ダメと
考えていたのです。


26
そんな待遇を受けながら
上窒ヘ
へこたれずもせず
毎日
メールを送ってきたのです。

文面は
わりと長くて
一日の出来事を
事細かに書いていてありました。

大学生の
上窒ネのに
そんなに
変わった出来事がないはずなのに
友達のこととか
ゼミのこと
通学途中の
電車の中のことなんかを
書いてありました。

最後に
由美子への
思いも
少しだけ書いてありました。

段々読み続けると
上窒フことが
わかってきました。

わかったからと言って
好きになることはないと
由美子は思っていました。

というか
絶対に
好きにならないと
決めていました。

なぜこんなに
こだわるのかが
由美子自身も
わけが分からなくなりました。

それとは別に
由美子は
受験勉強を
始めていたのです。

公立の
大学へ行くことができれば
大丈夫と考えたのです。

寝るのも
削って
勉強していました。

27
学力が伸びて
大学に入学できるなど
実際は
無理だと
由美子は思っていましたが
何せ
閑だから
勉強していました。

夢を
持つことは
世間では
良いことになっていますので
由美子も
それに習っている
感がありました。

そんな勉強ばかりの
日々の中で
上窒ゥらのメールは
ひとときの
休息を
与えるようなものでした。

メールを見ていると
大学生は
やはり良いとも
思っていました。

映画を見てから
3週目になった頃も
同じように
メールが来ていて
よく種切れにならないものだと
考えて
ここは
「デートでも
してやるか」と
そんなメールを
送りました。

今度は
映画ではなく
大学の中を
案内するように
お願いしたのです。

上窒フ
返信は
いつものように
超速で
やって来ました。

明日でも良いと
連絡がありましたが
それでは
会社に
休暇届を
出せないので
仕事の少ない
木曜日にしようと
言うことになりました。

上窒ヘ
メールの文面から
相当嬉しそうでした。

由美子もそれを見て
何となく
暖かくなりました。

28
由美子は
木曜日が
待ち遠しいく
思いました。

勉強していても
なぜか
心が入りません。

大丈夫と
思うことにしました。

何か大丈夫か
よく考えると
わかりません。

このことについては
由美子の
いつも理路整然とした
考えが
及ばないことでした。

着ていく服が
ないと考えた
由美子は
会社終わりに
いろんな店を
見て回りました。

合理的な思考を
大事にする
由美子には
店員の
言葉は
全く信用できなくて
いつもは
うんざりしていていました。

その日は
なぜか説得力を感じた店員の
言葉を信じて
ファーの付いた
淡い色の
コートを
買いました。

休暇願も
課長に出すと
課長は
少し笑って
判子を押してくれました。

木曜日
両親に
友達と大学に行ってくると
言って
出掛けました。

前と同じ駅前に
前より
もっと早く着きました。

でも
同じように
笑顔で
手を振って
笑顔で
近づいてきました。






29
わりと大きめの声で
「おはよう
大場さん」と
上窒ヘ
挨拶してきました。

由美子:
おはようございます。
今日はよろしくお願いします。

上秩F
いいえ
なぜ大学なんですか

由美子:
大学を
よく知りたくて

上秩F
大学好きなんですか

由美子:
興味があるのです

上秩F
大学行きたいんですか

由美子:
できれば
でもダメですよね

上秩F
そんな事ないと思いますよ
大場さんは
私より
頭いいし

由美子:
そんな事ないです

上秩F
それなら
大学行けば

由美子:
無理なんです

学費が
続かないんです

先立つものがないと
大学には行けません。

大学は
諦めます。

でも
今日は
大学に行きたいなと
思うんです。

上秩F
簡単に言って
すみません。

少し深刻になったふたりは
満員電車に乗って
大学へ向かいました。

大学に着くと
活き活きした
空間が
ふたりを
包み始めて
前向きな気持ちになってきました。

30
楽しく
大学を見て回り
それから
上窒フ
受講する
教室に向かいました。

教室の
前の方に座って
先生を待ちました。

授業は
都市計画学で
都市は
どんな風に計画するかです。

由美子には
あまり興味のない
学問ですが
なぜか
楽しくなりました。

大学の
雰囲気というか
臭いというか
それが
なんか
たまらなく
良いものだと思いました。

授業を受けている
学生を
見回しました。

まじめに
受けているものもあれば
全然聞いていないものも
いるようです。

上窒ヘ
まじめな方のように見えました。

授業が終わって
学食に向かいました。

学食で
となり同士に座りました。

例によって
上窒ヘ
人なつっこく
話しかけてきました。

時候の話や
政治・経済の話などを
上窒ヘ
流暢に話しました。

上窒ヘ
本当に話が
上手だと
由美子は
思いました。

31
由美子自身は
話が上手でないと
思っていました。

口べたな
由美子は
上窒
少し見直しました

午後からは
上窒ヘ
ゼミになっていて
少人数ですから
由美子が
紛れ込むことは
できませんでした。

由美子は
図書館へ行って
勉強をすることにしました。

冬のグラウンドが見える
窓際の席に座りました。

外は
寒そうでしたが
中は
陽光のために
気持ちよく
暖かかったのです。

何となく
眠たくなって
寝てしまいました。

こんなのは初めてです。

昼間に
眠気をもよおすことなど
なかったのに
ウトウトとしてしまいました。

そして
寝入りました。

そして
夢を見てしまいました。

大学生になっている
夢でした。

暖かい
大学で
勉強している姿でした。



32
夢の中で
勉強して
それから
大きな部屋で
試験を受けるのですが
解答用紙が
見あたらないので
焦っていくという筋書きでした。

思わず
声を上げたら
目が覚めて
上窒ェいたのです。

上秩F
どうしたの

何かうなされていたような

由美子:
夢を見ていて

上秩F
どんな夢

由美子:
大学で
テストを受けている夢です。

上秩F
そうなんですか

僕もそんな夢を
試験前には
よく見ます。

一緒ですね

由美子:
一緒かな

上秩F
由美子さんは
賢いから
大丈夫だと思うんだけど

由美子:
そう言う問題やないと思うけど

夢は
よくわからないですよね。

上秩F
夢って
何なんでしょうね

由美子:
よる見る夢は
ともかく
夢は
なかなか叶わないですよね。

上秩F
やってみないとわからないんじゃないですか

それは
大学へ行く夢ですよね

目が覚めた
何となく
夢心地で
話していたのですが
そう言われて
由美子は
現実の世界に
戻ってきて
しまいました。



33
ゼミを終えて
帰ってきた
上窒ニ
大学から帰り始めました。

来た時より
由美子は
暗い表情でした。

大学へ行きたいのに
いけないためのものだと
上窒ヘ
思いました。

上窒
その表情から
由美子のことが
わかりました。

ふたりは黙って
電車に乗って
ふたり並んで
座りましたが
会話はありませんでした。

「またね」と
言って
ふたりは別れました。

それ以来
由美子は
勉強にも
仕事にも
身が入りませんでした。

上司からも
注意されたくらいです。

上窒ゥらは
同じように
メールがやってきていました。

一週間くらい経った頃
上窒ゥらの
メールを見た
由美子は
あまりの内容に
唖然としました。

いつものように
近況の内容でしたが
最後に
「大場さん

大学に行くのを
応援します。

僕も
やっと
就職が決まって
経済的に
余裕ができました。

大場さんが
大学に行くのを
金銭的に
応援します」と
書かれていました。

34
以前
お金が続かないと
言ったことがあるので
そんなことを言うのかも知れません。

「でも

それって
政略結婚

いや
政略結婚は
金持ち同士の
結婚だから
これは
政略結婚ではないよね

うーん

だったら
人身売買

大学へ行くお金で
私って
上窒ノ買われた

それはないよね

私なんか
誰も買わないよね

やっぱり
私が好きだから

そうなの

私は
どうなのかしら

上窒ヘ
いい人だとは
思うけど
私って
上窒ウんのことが
好きなのかしら

結婚したいほど

わからないな

ところで
上窒ヘ
私のどこが
好きになったんだろうね

容姿端麗って
というほどの事もないので
わからないなー

やっぱり聞いてみるのが
一番かも知れませんね」と
由美子は
考えを
巡らしました。

メールで
思いついたことを
聞いてみることにしました。

上窒ヨは
久しぶりのメールです。







35
由美子のメールに
すぐに返信がありました。

さすが
上窒セと思いつつ
メールを見ると
「久しぶりのメールありがとうございます。

(ひさしぶりで
すみません。

でも
上窒ウんのように
毎日メールを出すほどの
話題もありませんので)

さておたずねの件ですが
どこが好きかと言われると
『すべてです』と
答えるのが
本筋かと思います。

(そうよね
私のすべてが
良いのよね
照れるな−)

でも
正直に言うと
そうではないのです。

(なに!
上秩j

あなたの好きなところなど
わからないのです。

(なに!
好きなのは
冗談?)

人間が
人を好きになるこの現象を
説明するには
難しい

私が
大場さんを
好きになった理由なんて
それは
わかりません。

きっと神さまでも
わからないと思います。

(そうよね
人を好きになる理由なんて
わからないですよね。)

でも
私が
あなたを好きなことは
真実です。

(そうなの
そんなに
好かれているのかしら

少し嬉しいわ

少しだけだけど)

ごめんなさいね
おたずねに
正確に答えられないことを

好きなことだけは確かです。

それから
大学の費用だけど
別に
私と結婚するという条件は
ありませんので、、、
ご心配なく

心配などしていませんよね。

(政略結婚
いや
人身売買
でなかったんだ

上
なかなか
いいじゃないの)」という
内容でした。





36
メールを
何度も読み返して
上窒フ
真意が
わかったように思います。

『上窒ヘ
私が
好きなんだ。

理由は
よくわからないけど

私が
好きなんだ

こんなに
男の人に
思われるのは
人生で初めてというか
、、、、、

上窒フ
思いを受け入れて
結婚でも
して

それから
大学へでも行くか

でも
それって
どこか
違うと思うの

上窒ヘ
私が好きだから
結婚したい
結婚したら
私を
大学へ行かせてくれる
それは
間違っていない

じゃ
私はどうなの

もし
私が上窒ェ好きなら
結婚して
上窒ノ甘えて
大学へ行っても
問題ないけど


私が
上窒好きでなかったら
これはやっぱり
人身売買

つまり
私が
上窒
好きかどうかが
問題なんだ

私って
上窒ェ
好きなんだろうか

好きって
どんなこと

やっぱり
一緒にいたいとか

慈しみたいとか

そんな事じゃないかな

そんな風に思うと
まだ
上窒ヘ
そこまでいっていないような
感じがする。

でも
何も知らないからかも知れない

それじゃ
付き合ってみようか』
という考えに至りました。



37
メールで
そのことを
上窒ノ伝えると
すぐさま返信がありました。

「ただただ嬉しい」
と書いてありました。

いつもの
くどいほど長い
メールと正反対です。

良かったと
思いました。

この日から
由美子は
上窒フ
メールに
すべて返信するように
しました。

ただ
短文でしたが
それは
上窒ヘ
嬉しかったのです。

デートは
勉強があったので
週一程度でした。

上窒ゥら
名前を
聞かれました。

はじめにあった時に
大場としか
言っていたなかったので
上窒ヘ
下の名前を
知らなかったのです。

由美子と
答えると
「優と由美子は
相性が良いですよね。

どちらも
仮名で書けば
3文字だし
相性良いですよね」と
いつものように
わけの分からぬことを
書いていました。

「上窒チて
いつもこんな感じですよね。

上窒ヘ
優って言うんだ

最初に
そんな事を
聞いたよな気もするけど
忘れてしまったわ

付き合ったいるんだから
上窒ウんではなく
優さんと
呼んだ方が
良いのかしら

きっと
優と
呼んだら
喜ぶでしょうね

やってみましょう」
と思いました。

38
付き合って
初めてのデートの日
由美子は
『優さん』と
呼んでみました。

そしたら
予想通り
大喜びして
由美子の手を
両手で握りしめ
目がキラキラしていました。

少し涙目でした。

由美子は
優さんって
分かり易い
いい人なんだと
確信しました。

この時から
由美子は
優が
好きになり始めたのです。

由美子が
楽しくデートしていると
優は
それがわかるのか
もっと嬉しそうでした。

互いに
慈しみ合って
愛情は
大きくなってきたのです。

数ヶ月後
花火の夜に
優は
由美子に
プロポーズしたのです。

大きな花火が輝いた時
『あの花火は綺麗だけど
すぐに消えてしまう。

でも私の愛情は
見えないけど
消えることはありません。

私と
一緒に
日常を過ごしましょう。

私と
あなたが
一緒にいることの
日常の幸せを
噛みしめてみましょう。

ね。」と
告白したのです。

由美子は
涙が出てきました。

暗闇の中だったので
周りの人には
わからないので
ふたりは
一杯涙を流して
抱き合いました。

そして
由美子は
『ありがとう
これを
ふたりの
日常にしましょうね』と
言いました。



39
由美子は
「よかった」と
思いました。

考えてみれば
試験を受けて
近くに優さんがいたから
そして
合格して
みんなに喜んでもらえなくて
大学へ行ったら
また優さんに会って
偶然の出来事だけど
きっと
きっと
ふたりは出会いは
決められた
ことなんだと
思いました。

会う理由となった
勉強も
身を入れて
真剣にしていました。

ふたりの両親にも
紹介され
正式に婚約しました。

結婚式は
来年の春と決まりました。

大学受験後ということに
なったのです。

上窒ヘ
理解していて
大学受験を
最優先にしたのです。

由美子が受ける
学科は
仕事に関連の深い
情報処理学科です。

最初に
会った時に
上窒ェ
図らずも予想した学科でした。

仕事を普通にしての
勉強ですから
時間が
短かったのです。

合格できるかどうか
不安でした。





40
課長に言って
有給休暇を
もらうことにしました。

たまっていたので
全部消化してしまうことにしました。

二週間あまり
両親にも説明して
勉強することにしました。

両親は
『その必要があるのだろうか』と
言いながらも
協力してくれました。

勉強三昧の日々です。

上窒
協力というか
メールも短文で
当たり障りなく
デートは
控えていました。

試験日
上窒ヘ
由美子を迎えに来ました。

一緒に大学へ行きました。

途中
ふたりは
黙っていました。

つまらないことを
言って
大事な記憶を
失わせてはいけないという
考えからでした。

受験場の
手前まで
おくっていって
別れました。

顔を見合わせ
目と目を合わせて
別れました。

由美子は
気合いを入れて
テストに臨みました。

どういう訳か
問題は
簡単でした。

過去問よりも
はるかに
簡単な問題が
並んでいて
由美子は
どういう訳か
がっかりしました。




最初は20話程度の小話とするつもりだったのに話が進むと 倍の40話を超えてしまいました。 はじめの構想ではえーっと、、、、、、、、、、、、、 41
由美子は
試験問題が
安すぎるので
『この試験は
出来レースになっているのだろうか』と
疑ったくらいです。

試験が終わって
門の外に出ると
上窒ェ待っていました。

「優さんは
待っててくれたんだ。

ありがとうございます。

頼もしかったよ」と
お礼を言いました。

上秩F
由美子さん
試験どうでした?

由美子:
大丈夫だと思うけど
結果が出ないと
わからないし

まだまだ
かもしれません

上秩F
良かったじゃないですか

良かった
良かった

ところで
大学に受かったら
仕事を辞めるんですか

由美子:
わからないけど
今の会社は
辞めたくないの


上秩F
大学は
夜間じゃなのだから
今の会社は
無理じゃないの

由美子:
そうだよね

悩んでしまうよ

イヤだ
まだ受かってもしないので
そんな事悩むなんて



42
試験に合格しようが
不合格になろうが
結婚はすることになっていました。

その用意は
試験勉強で
後回しになっていたので
発表までの間は
準備に
右往左往していました。

日は過ぎて
発表の日が来ました。

インターネット上で
発表です。

勤務時間内は
閲覧禁止ですが
課長が
私用のインターネットを
していて
「見ても良いよ」と
言ってくれました。

おそるおそる
パスワードを入れて
見てみました。

『合格』と
文字だが出てきました。

課長もそれを見ていて
「おめでとう」と
声を上げたのです。

他の社員に
「大場君が
大学に合格した」と
告げたので
社員が集まってくれて
おめでとうの嵐です。

こんなに
祝福されるなんて
人生初めてです。

前の国家試験に合格した時には
全然なかったのに
今回はこの違いです。

涙が
出てきたのを
感じました。

由美子は
こんなにみんなに
思っていてもらって
いるんだと
初めて知ったのです。

43
会社のみんなが
喜んでくれたので
すっかり
上窒ノ
電話するのを
忘れていました

勤務時間中ですから
メールで送りました。

すぐに
「おめでとう

今日はお祝いだから
お家に行きます。」と
返信がありました。

両親にも
同じように
メールをしました。

こちらも
速攻で
「早く帰ってきてね
お祝いしましょう。

優さんも
来るでしょうし」と
返信がありました。

会社のみんなが
今晩
お祝いに行こうと言いましたが
別の日に
してもらいました。

いつものように
終業時間来たら
さっさと
帰りました。

途中少し買い物をして
家に着くと
両親と
上窒ェ
出迎えて
おめでとうの
嵐です。

祝福されて
本当に嬉しくなりました。

こんなに
両親に
誉められるのは
初めてだと
思いました。

いつも兄ばかり
誉められていたのに
なぜなんだろうと
思いました。


44
お祝いの会は
和やかにすすみ
結婚生活のことを
由美子の
母親が聞いてきました。

2人は
「だいじょうぶ
ノートラブル」と
答えました。

ふたりの結婚式は
春分の日に
行われる予定になっています。

忘れないようにという意味と
毎年
休日で
お祝いには都合がよいと言うことで決まりました。

上窒フ
両親の結婚記念日を
体育の日に決めたら
ラッキーマンデーになって
年によって変わるため
変わらない日として
春分の日が選ばれました。

そんな話で盛り上がっているところに
由美子の
兄が
やって来ました。

お祝いも
持ってきて
「おめでとう」
と言ってくれました

会が終わって
片付ける時に
母親に
質問を
ぶつけてみました。

「大学に合格した時は
みんなでお祝いしてくれたけど
私が就職した時とか
高校に入った時なんか
何のお祝いもなかったように思うの

それなのに
お兄ちゃんの時は
お祝いをしたように
思うわ

この違いって何なの

お母さん」
と尋ねました。








45
母親は
わからぬような顔をして
「そんな事ないでしょう。

私は
いつも
兄弟同じように
しているわよ」と
答えました。

「えっ」と
由美子は叫んだように
思いました。

「思い過ごしなの
そんな事ないでしょう。

あれは事実だ」と
思いもう一度
言ってしまいました。

「私は
そんな風に思わないんだけど

差はあったでしょう」と
強くいいました。

母親は
兄をつかまえて
「お前と
由美子で
お祝いの仕方が
ちがった?

そんな事ないでしょう」
と
言うと
兄は
「僕の方が
厳しかったように
思うけど
由美子は
そんな風に思っていたの

知らなかった-

高校時代に
『大学に行かない』と
言った時には
学資を用意していた
お母さんは
相当がっかりしていたようだった
と思うけど」と
答えたのです。

由美子は
『自分は期待されていない』と
思っていたけど
そうでなかったのかもしれない
と思いました。


46
そう思うと
そうかもしれないと
思いました。

長年
誤解していたのかも知れないと
由美子は気が付いたのです。

翌る日
会社の課長に
退職届を
出すことになりました。

大学に行くと
到底仕事が出来ないので
残念ですが
辞めざる得ないのです。

上窒フ
負担を少なくするため
アルバイトをするつもりだったのですが
そんな事も
課長に話しました。


課長は
「大場さんは
仕事を
きっちりこなしてくれるので
退職したら
大打撃

今後も
アルバイトをしてくれたら
助かるよ

今後とも
頼むよ

大学を卒業できたら
また正社員で
お願いするから」と
言ってくれました。

「私って
会社に
期待されているのだ」と
この時
初めて思いました。

大学合格は
ものすごく嬉しいけど
そのことが
もっと多くのことに
気付かせてくれました。



47
大学が合格して
その後の仕事も
確保して
これで
前途洋々と
思いながら
「あっ
結婚式が
有ったんだ」と
気が付きました。

由美子は
人生最後の
慶事
結婚式に
全力で
対応することにしました。

春分の日は
雨になりました。

外での
写真撮影が
出来なくなって
由美子は
少し残念でした。

でも
最後の
思い出の
スライドが
心に残りました。

ふたりで作った
映像で
泣いてしまいました。

よく見ると
両親も泣いていました。

ふたりで
考えて
作っただけのことは
あると
おもいました。

感動的な
結婚式が終わって
ニュージーランドに新婚旅行に
行きました。

新婚旅行費は
上窒フ両親が
お祝いにと
全額出してくれて
相当豪華でした。

7泊8日の旅行を終えて
関空に着いた時には
相当疲れて
へとへとでしたが
すっごく楽しかったという感想でした。

ふたりの駅の
中間で
新しく借りた
マンションに
帰りました。

駅に近くはないけど
広いし
安いので
今後のことを考えて
決めたものでした。

駅までは
自転車で
通うことになっていました。




48
進行旅行から帰ってきた翌日
ふたりは
休みを取っていました。

上窒ヘ
近くでもいいから
出掛けようかと
誘ってくれましたが
「由美子は
家で
ゆっくりお話でもしましょう」と
答えました。

新しいマンションは
3階にあって
眺めが良いのです。

並んで
窓に向かって
ゆっくりと座って
話し始めました。

上秩F
はじめて会ってから
2年半経つよね

由美子:
そうだね

上秩F
やっとここまで
来たかと

由美子:
そうだね

上秩F
艱難辛苦を
乗り越えて
やってきたというような

由美子:
大げさじゃないの
私は
自然にここまで来たように
思うけど

上秩F
由美子さんは
自然に
ここまで来たかも知れないけど
僕は
そうではないよ

由美子:
そうなの
大変だったんだ

私には
自然だと思うけど


49
上秩F
試験場で
最初に会って
それから
偶然
二度目会って

そんな事あり得ないよね

由美子:
私もそう思います。

学食で
会うなんて
偶然の中の
偶然ですよね

上秩F
学食であった時
由美子さんは
私を
『バカだ』と
思っていましたよね

由美子:
そんな事ないです。

優さんは
賢い大学生だと
思っていました。

(なんでわかったんだろう
でも
本当のことを
言えないよね

ここは
否定しないと)

上秩F
でも
確か
そんな風に
感じたんだけどね

それに
僕より
由美子さんは
賢いですよね

由美子:
そんな事ないです。

上窒ウんは
就職もして
しっかりしてるじゃないの

上秩F
就職は
がんばりました。

就職できないと
由美子さんと
全体結婚なんて
できないもの

僕は
実力ではなく
努力です。

由美子:
それなら
私も
努力です

毎日
努力です

努力が
日常です。

上秩F
由美子さんは
本当に
努力家ですよね



50
友達からもらった
おそろいの
コーヒーカップが
机の上に並んでいました。

由美子の前には
黄色のソーサーの上に
赤いカップ
上窒ヘ
同じ黄色のソーサーの上に
青のカップが
置かれていました。

カラフル過ぎる
カップを見ながら
話は続きます。


由美子:
努力家と言うより
そんな日常が
好きなんだと
思いますけど

習慣ですよね

上秩F
そうそう
習慣ですよね

家がかわって
最初の内は
疲れたけど
今は
もう慣れました。

由美子さんも
明日から
大学が始まるから
疲れが出ないように


由美子:
そうですよね

毎日が
かわったら
疲れますよね。

いつもが
一番

明日からは
大学へ行って
アルバイトして
それから
主婦して
妻するのが
日常にします。

あなたの
隣にいることが
幸せ

上秩F
ありがとう

由美子といれば
どんなことでも
出来る様な気がする

僕も
手伝うから

ふたりは
窓から
見える
六甲の山を見ながら
ゆっくりと
その日を過ごしました。

もちろん
由美子は
勉強もしましたが
、、、

それを
上窒ヘ
幸せだと
見守っていました。

41
翌日は
大学の入学式で
由美子の母親も
出席することになっていました。

上窒
「行きたい」と
言ったのですが
由美子が
でないで欲しいと
言ったのです。

残念に思ったけど
由美子の
保護者でもないので
諦めて
会社に行くことにしました。

上窒ェ先に
家を出たので
由美子は
外に出て
見送りました。

時間が来たので
母親との待ち合わせの
駅に向かうため
自転車に乗って
出発です。

マンションから
東の方にむかって
進み
少し大きな道路に出ると
左に曲がります。

信号の所を
渡って
露地に入ります。

しばらくすすむと
県道に出ます。

県道をまっすぐ進むと
駅になります。

県道が
緩やかに曲がっていて
県道に出るところは
南から走ってくる車は
出口が見えません。

由美子は
それがわかっているので
左右を確認して
路側帯に
沿って
出ました。

ゆっくりと
自転車をこいで
すすんでいると
後ろに大きな音がして
衝撃を
感じました。

由美子は
大きな力で
前に
投げ飛ばされました。

投げ飛ばされた
由美子は
コンクリートの橋桁に
衝突しました。

衝撃を感じた後
由美子は
意識を失いました。

後ろから
黒い
軽自動車が
衝突したのです。

衝突後
運転手は
ブレーキを踏みましたが
自転車を巻き込んで
止まるまで
30m近く要しました。

止まった時に
絡みついた
自動車が
はずれて
そのまま
自動車は
急発進して
由美子を置いて
走り去りました。

黒い自動車の
後ろを走っていた
宅配業者の車は
クラクションを
長く鳴らしたが
止まりませんでした。

すぐに
ナンバーを
メモに控えて
自動車を降りました。

対向車の自動車の
運転手も
降りてきていたので
警察と消防署に
分担して
通報しました。

由美子は
普通は
出来ないような
形で
道路の端に
横たわっていました。

宅配業者は
由美子に触れようとしましたが
後からやって来た人が
「触らないで」と
言ったので
そのままにしておきました。

周りに
人が
増えてきて
時間が過ぎていきました。
2分ほど経つと
まず
パトカーが
サイレンを鳴らして
やって来て
制服の警官が
たくさん
降りて走って
やって来ました。

手際よく
交通整理をして
救急車を待ちました。

その間に
宅配業者に
事情聴取していました。

それから
1分
救急車がやって来て
救急隊員が
担架を持って
走ってきました。

救急隊員は
由美子を確認して
「CPA(心肺停止)」と叫びました。






42
救急隊員は
手際よく
処置を施し
救急車に
移しました。

しばらくして
けたたましい音を出して
救急車は
駅の方へ
走り去りました。

一方
駅で待つ
母親は
救急車や
パトカーの
サイレンを
聞いていました。

慎重な
由美子だと思っていたので
母親は
特に心配はしていませんでした。

駅前の
病院に
救急車が
入っていくのも
見ていました。

約束の時間が
来ても
由美子は
来なかったので
携帯に
電話をしました。

すぐには出ませんでした。

「自転車にでも乗っているのか」と
思いつつ
もう一度
電話をすると
「東警察署です。
こちら
上苧R美子さんの
電話ですが
どちら様ですか」と
男の声で
かえってきました。

母親は
びっくりして
思わず
電話を
耳から話しました。

おそるおそる
「上苧R美子の
母親ですが
由美子は」と
言いました。




43
「大場さんは
交通事故に遭われて
病院に搬送されました」と
電話から
伝わってきました。

母親は
オレオレ詐欺の
一種かと
思いました。

しかし
電話は
「駅前の病院です。
経った今
搬送されました」と続き
これは本当だと思ったのです

目の前で
救急車が
サイレンを鳴らして
病院に入って
きていたからです。

電話を
受けて
すぐに目の前の
病院に行きました。

受付で
救急車で運ばれた
母親だというと
処置室の方へ
案内されました。

医師と
看護婦
救急隊員
それに警察官が
遠巻きにしている
ベッドの上に
横たわっている
女性がいました。

警察官が
近づいてきて
「大場由美子さんの
お母さんですか

大場さんは
ひき逃げに
遭われました。

逃走車は
現在
捜査中です」
といったのです。

ベッドの女性は
遠目だったので
母親には
由美子かどうかわかりません。

警察や
消防隊員は
学生証で
氏名を
確認したらしいのですが
母親には
間違っていて欲しいと
願うばかりです。

その時
母親は
連絡しなければならないことに
気が付きました。

まず
夫に電話をして
その次に
上窒ノ
電話をしました。

母親は
こんなことを
上窒ノ電話しようとは
夢にも思いませんでした。

上窒フ電話は
勤務中なので
留守電になっていました。

「由美子が
交通事故に遭って
駅前の病院に
入院している」とだけ
言うのが
精一杯でした。


54
処置室が
急に
静かになりました。

母親のところに
年長の女性の
看護師さんらしきものが
やって来て
「残念ながら
ただ今
大場さんの
死亡が確認されました。

こちらにお願いします」と
言って
案内されました。

処置室に入ると
由美子の
体から
いろんな装置が
外されていました。

遠くからでも
由美子とわかりました。

穏やかな
顔で
寝ているようでした。

思わず
涙が
あふれてきました。

泣き崩れるようでした。

看護師が抱きかかえて
外の
イスに座れてくれました。

その時
父親が
走ってきました。

「由美子が
死んでしまった」と
話して
父親と
一緒に
泣いていました。

しばらくして
警察官がやってきて
「こんな時に
何ですが
大場さんの
ご遺体を
検視する必要があります。

お願いします」と
告げてきました。

「はい」と
言ったら
「検視は
少し時間が必要です。

夕方には
ご遺体を
お返しできると思います。

単なる交通事故ではなく
ひき逃げですので
検視が必要なんです」と
言って
手続きの
用紙に
署名をするように
言われました。

肩を落として
病院から
帰ろうとした時
上窒ェ
血相を変えて
走ってきました。

「由美子さんは

由美子さんは」と
両親に
叫ぶように
近づいてきました。


55
母親は
何も言えませんでした。

父親が
しばらくの時が過ぎて
仕方がないの
「亡くなって
今検視になって
、、、、」と
だけ告げました。

上窒ヘ
膝を折って
へたり込みました。

「○×△#
、、、、、

どうして
こんなことに

あの時
一緒に行っていれば

どうして
由美子さんが

あー

、、、、、、、

、、、、

、、、、、、、」
と
うなるように
言いました。

3人は
とりあえず
席に座って
ふさぎ込みました。

そのまま
時間が過ぎました。

昼頃まで
その場にいました。

病院は
いつもの
喧噪の状態から
閑散な
状態になっていました。

そこに
由美子の
兄が
走ってきて
その
状態が
崩れました。

「遅くなってごめん

今は
どうなっているの

ここでは何だから
家に帰ろう」と
兄は言って
肩を落とした
面々を
自分の車に乗せて
上窒フ家に向かいました。


56
上窒フ家に
着くと
無言で
イスに座り込みました。

その後
お葬式屋さんが
やって来ました。

控えめに
振る舞っていましたが
やはり
きっちり
決めて帰りました。

お葬式は
明後日にして
明日の夜が
通夜で
今晩は
マンションで
過ごすことにしていました。

昼ご飯は
弁当を
近くで
買ってきて
食べました。

美味しくないと
みんなは思ってしまいました。

夕方になって
由美子の遺体が
マンションに帰ってきました。

母親以外は
死んだ
由美子を見るのは
初めてです。

葬儀社が
帰って
4人になると
もう
会話はありません。

そんな中
思いついたように
由美子の母親が
「お坊さんを呼んで
枕経を上げない」と
言って
その沈黙が
破れました。

母親は
上窒ノ
繋がりがある
お寺を
聞きました。

ないというので
大場家に
いつも着てい頂いている
お寺さんに頼みました。

57
女性の
住職さんがおいでになって
お経を唱えた後
ちょっとだけ
法話がありました。

「人は
死んだら
往生即成仏
光となって
現世を
守っている」というものでした。

上窒ヘ
由美子さんなら
きっと
守っているかも知れないと
思いました。

住職さんが帰ると
由美子の兄の
妻と子供
上窒フ両親と
兄弟の家族が
やって来ました。

大人は
おとなしくしていましたが
小さい子供たちは
叔母さんが
亡くなったと言うことが
実感としてなかったのかも知れないし
はしゃいではいけないと言うことも
知らなかったのです。

子供は騒ぐものです。

沈痛な
4人とは
対照的です。

母親が
制止しますが
言うことなど
聞くはずもなく
早々と
帰ってしまいます。

またまた
沈黙の
4人に戻りました。

夜も更け
10時頃に
由美子の両親と兄が
自動車で帰ってしまうと
上窒ニ
由美子の遺体だけに
なっていました。




58
葬儀社に
遺影の
写真を
頼まれていたので
デジカメの写真から
探していました。

どの写真も
由美子が
幸せそうに
笑っていました。

何千枚もある写真を
一枚一枚
思い出とともに
見ていました。

夜も更け
12時頃
由美子の遺体に
触れてみました。

ドライアイスで
冷たくなっていました。

続けて
写真を探していました。

そのうちに
眠たくなって
由美子の隣の
パソコンの前で
ウトウトと
眠ってしました。

上窒ヘ
いつもは
夢を
見たことがありません。

よく寝るのです。

そんな
上窒ェ
長い長い
夢を見たのです。

夢の中は
明るい
白い背景の前で
由美子が
立っていました。

由美子は
薄いピンクの
お気に入りの
服を着ていて
いつものように
髪を後ろで束ねていました。

59
夢の中の
由美子は
笑顔だと
上窒ノは見えました。

夢の中の
由美子は
ゆっくりと
上窒ノ
話しかけました。

『優さん

夢の中で
出会えて
嬉しいです。

優さんは
どうですか

私は
幸せです。

あなたに会えて幸せです。

今までの人生すべてが
あなたのおかげで
最高に幸せでした。

こんな幸せ
もっと
もっと
過ごしたいけど
そんなの
贅沢な
思いですよね。

良き両親に出会えて
そして
あなたに会えて
こんなに幸せでした。

これ以上の
幸せなんか
もう絶対にこないと思います。

この先は
きっと
これ以下の幸せが
あるいは
不幸が待っていると思います。

歳を重ねれば
大好きだった
父母とも
いつかはお別れしなければならないし
それに
、、、、、

大好きな
優さんとも
お別れが
あるかもしれません。

そんな時
私は
どう感じるでしょうか。

きっと
悲しい思いが
することでしょう。

それに
大好きな
優さんが
私が生きていても
遠ざかっていることも
あるかもしれません。

愛は
永遠ではないことは
私は
知っています。

、、、、、


きっと
優さんに限って
そんな事は
ないとは思いたいけど
やっぱり
今の幸せを
味わってしまった
私には
そんな心配が
頭をよぎります。




60
(夢は続きます。

上窒ヘ
由美子の
話すことが出来ないのが
もどかしく夢の中で
思いました。)

優さん

私は幸せでした。

そして今も
幸せです。

そして
将来も
きっと幸せだと思いますが
それには
条件があります。

それは
私の愛する
優さんが
幸せになることよ

優さんは
24歳だし
まだまだ若いんだから
新しい人を見付けて
幸せになってね

私を忘れて
幸せになってとは
言えないけど
私を思って
一生
寂しく過ごすことなど
ないように
して下さいね

何度も言いますが
私は
あなたのおかげ
幸せで。

もうあなたと
夢の中では
会わないわ。

私は
光となって
あなたを
遠くから
見守っていますから

最後に
誤解のないように言っておきますが
私は
死にたくはなかった
もっと
優さんと
一緒に暮らしたかった。

でも
いまなら
死んでも
幸せ

、、、、、、、、」

61
そんな言葉を残して
夢は
終わりました。

目が覚めました。

夢の経験は
あまりないけど
あまりにも
ビビッドな
夢でした。

上窒ヘ
横の
由美子を
見ました。

上を向いて
目をつむったまま
寝ていました。

変わりはありませんでした。

窓が
少し
明るくなっていました。

上窒ヘ
由美子の前に行って
ジーッと
ジーッと
見つめました。

動かない
由美子でしたが
夢の中の
言葉が
蘇ってきて
すこし
笑っているように
見えました。

時間が過ぎ
窓から
日が差し込んでくると
由美子の両親と兄がやってきました。

それでも
その平穏が
壊れることはありませんでした。

静かに
時は過ぎ
葬儀社が
やって来て
由美子を
葬儀会館に
搬送しました。


3人も
自動車でついていって
場所は
かわりましたが
同じように
寡黙に
時間が過ぎていきます。

62
葬儀会館では
葬儀社の方が
お葬式を
代行していくので
遺族は
言われるがままに
行動するだけです。

夕方の
通夜には
由美子の
会社の上司や同僚
部下が
どばーっと
やって来ました。

上窒ヘ
頭を下げるだけです。

課長は
本当に残念そうに
会社での
由美子の様子を
話して
帰りました。

「会社でも
由美子さんは
がんばっていたんだ。

いつも
全力で
生きていたのかも
知れないな

夢の中で
『私は幸せでした』と
言っていたけど
本当かな

私に当てはめると
『由美子さんと会って
どうだったんだろう。

最初に
試験場で見た時から
好きになってしまって

でも
試験場であった
名前も知らない人と
再会できるなんて
絶対にないと
思って

でも
偶然
食堂で出会って
驚いたというか
僕にとっては
苦しみの始まりだったような

由美子さんが
すぐに僕を好きになってくれるなんて
あり得ないと考えつつも
苦しかった

つきあい始めて
もっと
苦しくなった

いつ
嫌われるかという
不安で
一杯だった

ああいう不安と
同居することが
幸せというなら
幸せだったかも知れないけど

それはきっと
幸せの
範疇では
ないような気がする




63
僕は
由美子さんと同じで
良い家族に恵まれたので
家では幸せだった。

学校では
それなりの
成績があったし
いじめられなかったし
普通だったよね。

やはり
不幸は
由美子さんと
会った頃から始まったかも知れない。

好きだろうか
嫌いだろうか
そんな事を
思い悩むことが
不幸だったかもしれない。

それに
今回
突然亡くなって
不幸のどん底

由美子さんの責任ではないけど
間接的には
由美子さんさえいなければ
今の不幸はあり得ない。

でも
由美子さんのおかげで
幸せに
なったのも事実だから
、、、、


、、、、、、、」
と
時間が
あまりあるほどあるので
そんな事を
何度も
何度も
考えていました。

告別式の時間が来ました。

由美子の
兄の家族や
遠縁の従兄弟の家族や又従兄弟の家族など
子供も
多く来ていました。

同じように
はしゃいで
笑い声さえ
聞こえてきました。

それも
いいかもしれないと
思いつつも
スッキリしない感じが
しました。


64
そんな感じも
上窒ノは
一瞬に感じました。

最後の別れで
由美子の顔を
ジーッと見て
涙しました。

それから斎場
そして骨揚げ
大きい骨壺を
大場家の墓に納骨して
小さい骨壺を持って
家に帰り
住職さんに
お経を上げて
みんなが
家から出て行くと
上窒ヘ
ひとりになってしまいました。

上窒フ両親が
「実家に戻ったら」
と勧めたけど
この日は
由美子と
2週間だけ暮らした
マンションで
過ごすことにしました。

ひとりで
お部屋にいると
由美子が残した
ものたちが
上窒
見ているように思いました。

『由美子に
見守れている?』と
思うようにしました。

疲れからか
眠たくなって
床につきました。

上窒ヘ
夢に中に
由美子が出てくることを
望んで
眠りに入りました。

次に
上窒ェ気が付いた時は
窓は
明るくなっていました。

「由美子さんは
夢には出てこなかった。

あの時見た夢では
『これが最後』と
言っていたけど
そうだったのか」と
気が付きました。


65
上窒ヘ
結婚前には
ひとり暮らししたことがありません。

結婚生活をはじめた時に
何も
出来なくて
由美子に
「少しは手伝って」と
言われました。

「料理や掃除洗濯を
勉強して
手伝ってね」と
言われた時に
「また
教えてもらって
ゆっくりだけど
上達するよ」と
答えたことを
思い出しました。

2週間では
洗濯物の
出し方や
ゴミの出し方程度しか
教えてもらえなかったので
料理は
まったく作れません。

翌日は
忌引きでしたが
食べ物を
冷蔵庫の中で探しましたが
すぐに食べるものは
ありませんでした。

仕方がないので
コンビニで
朝昼晩の
弁当を買ってきました。

家事を
何とかこなさないと
考えて
「男の料理の本」も
一緒に買ってきました。

その日は
読んでいました。

何もしないと
気が滅入ってしまうので
料理を
実践でもしようかと
近くの
スーパーマーケットに行って
食材を買ってきました。

明日の朝の
メニューでも
作り始めました。










66
にわかの
主夫が
料理をうまく作れるはずもなく
さんざんな出来出来たが
自分の作ったものは
何でも美味しいと言う大原則で
朝ではなく
三時のおやつに
食べてみました。

食卓の上に飾った
由美子の前にも
置きました。

小さな由美子の写真は
笑っているようにも
「食べて大丈夫?」と
言っているように見えました。

そんな休日を過ごして
翌日
仕事に出掛けました。

忙しい
仕事を
していると
由美子のことを
忘れることが出来ました。

週末で
休みになると
掃除洗濯と
家事をこなしていました。

由美子の
写真の前も
綺麗に掃除しました。

七日七日が
土曜日になっていて
土曜日毎に
住職さんが来て
お経を上げて
小さな法話をして
帰りました。

「やっぱり
由美子は
本当に
光になって
僕を見ている。」と
思うようにすることにしました。

でも
夕方
くらい中で
由美子の写真を見ると
また悲しくなりました。




67
翌日の日曜日は
ジッとしていると
思い出すので
お掃除をすることにしました。

まったく汚れていないお部屋ですが
隅から隅まで
掃除をすることにしました。

昼ご飯もそこそこに
熱心にしたので
3時に終わってしまいました。

疲れて
ソファーに座って
休みました。

「由美子さんを
思い出してしまいそうだ。

由美子さんが
いた時は
よかったよなー

いろんな事を話が出来て

なぜ
いなくなったんだろう

、、



そうだ

由美子がいなくなった
原因は
一に
交通事故

あの交通事故の
ひき逃げ犯
捕まったと
由美子のお母さんから
連絡があったけど


あの
犯人が
悪いんだよね

でも
妙に
憎めないんだ

テレビを見ていると
交通事故の
遺族が
犯人のことを憎んでいるような
言葉を
言っているけど


もちろん
遺族の気持ちは
当然で
由美子さんの両親は
そんな風だった

僕も
そんな風には
思うけど
あまりにも
由美子がいなくなったことの方が
大きいので
憎む余裕すらないのが
理由かも知れません。

そうなのか

由美子さんは
誰にだって
親切だったし
好意的だった。

きっと
怨んではいないかも知れない」

そんなことを
思いつつ
あの時の
鮮明な夢が
思い出されました。




68
夢の中では
『私を忘れて
幸せになってとは
言えないけど
私を思って
一生
寂しく過ごすことなど
ないように
して下さい』というようなことを
言っていたようなことを
思い出しました。

犯人なんか
怨まず
幸せに暮らせと言うことが
由美子の
真意なんだろうと
思うことにしました。

平日は
仕事に熱中するようにしました。

同僚に言って
体力がいる仕事を
譲ってもらうことにもしました。

週末になると
住職さんが
やって来るので
イヤでも思い出してしまいます。

由美子の写真を
見ていて
また涙が出てきました。

いつまでなんだろうと
思いました。

由美子のことを
忘れることがないので
きっと
いつまでも
いつまでも
涙が出るのだろうと
思いました。

そんな時間が
自分でも
いとおしいと
思うようになっていました。

時は過ぎ
四十九日の法要が
上窒フマンションで
行われました。

いつもと同じように
住職さんが来て
お経を上げて
少し長目の
法話をしました。

当時はやっていた
『千の風になって』にちなんで
そんな話でした。

亡くなった人は
光になって
みんなを
見守っていると言う話です。

「そうかな」とも
思うのですが
「そうでもなさそう」とも
思える節もあるのです。



69
今まで
宗教的なことに
関心がないというか
懐疑的だった
上窒ナした。

合理的に考えると
由美子が
光になって
見ていてくれるとは
思えません。

でも
見ていないとも
一概に言えないということは
わかっていました。

四九日が終わると
室内の
飾りのもなくなり
写真と
遺骨だけになりました。

お経を上げる習慣もなかった
上窒ナすから
朝晩に
何となく写真を見るだけです。

写真を見て
やはり思い出します。

上窒ヘ
仕事をして
忘れることにしました。

それに
一級建築士の
試験がありました。

2年の
実務を経て
受験資格を
得たのです。

夏には
学科試験を受け
年末に
実技を
受けることになっていたのです。

仕事と
勉強に
上窒ヘ
熱中しはじめました。





70
学科は
択一式ですが
複雑な組み合わせになっていて
すべての答がわからないと
正答を得られないようになっています。

上窒ノとっては
少し難しいという感じでした。

仕事もあるし
時間は
忙殺されていました。

それの方が
由美子を
思い出さなくて
良いと思いました。

夏に
学科試験を受け
自己採点では
ぎりぎりで
合格し
実技の試験の
準備です。

鉛筆を使って
課題の
製図をしなければならないのです。

大学では
製図実習もありましたが
普通は
CADと言って
パソコン上での
製図です。

職場では
もちろん
CADですから
試験用に
勉強しなければいけません。

10月の試験の前日まで
毎晩
練習していました。

練習に練習を重ねると
自信が付いてきましたが
実際には
さほど
製図の能力が
上がったわけではありません。

その間
由美子を
思い出すことも多くて
鉛筆が
止まってしまうことも
涙目になることも
ありました。

試験の当日は
10月とはいえ
木枯らし何号かが
吹いた
寒い日でした。

暖かい服装と
鞄に
好物の
ミカンと
あれを入れて
試験に臨みました。

試験時間は
もちろん足りませんでした。

それ以上に
場所が足りませんでした。

狭い
大学の教室の
机の上に
大きな製図板を
他の席に
はみ出さないように
設置するので
座る部分は
狭くなってしまうのです。

窮屈そうに座っていると
何だか
斜め前の
女性に目が移りました。

相当小柄というか
どう見ても
小学生高学年くらいの
体格です。

そんなに小さいので
同じような狭い場所でも
平気な様子で
のびのびと
図面を描いていました。

由美子さんも
小柄だったけど
由美子さん以上にだと思いました。

それから
単に
『実技試験に便利だ』と
思ったのです。

そして試験が
終わって
試験官が
図面を回収しに来ました。

試験の全部が終わって
鞄に
すべてのものを
詰め込んで
立ち上がりました。

その時
鞄から
ミカンが
転げ落ちてしまいました。

少し傾斜の付いた教室だったので
前に転げて
女性の足下に
当たりました。

女性は
ミカンを取り上げ
笑顔で
上窒ノ渡してくれました。

上窒
久しぶりの笑顔で
「ありがとうございます」と言って
ミカンを受け取りました。

受け取った時
彼女の
小さな手と
上窒フ手が
当たってしまいました。

上窒ヘ
「失礼」と
すぐに言って
教室を
出ていきました。

彼女も
同じように
出てきているようにも
感じましたが
家まで
一直線に帰りました。

帰りの電車の中で
ミカンを取り出し
ゆっくりと
食べ始めました。

ゆっくりと
ほぐして
ひとつずつ
口入れて
満足そうに食べていました。

食べ終わると
ちょうど降りる駅が来ていて
席を立って
電車を降りました。

その一部始終の
様子を
否応でも
見ていたのは
ミカンを拾ってくれた
女性でした。

女性は
「少し変な人よね。

一級建築士になろうとする人は
変な人が多いのかしら」と
思いながら
見ていたのです。


そんな様子を
見ていたのが
、、、

由美子でした。








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2016年12月23日(Fri)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その69

今まで
宗教的なことに
関心がないというか
懐疑的だった
上窒ナした。

合理的に考えると
由美子が
光になって
見ていてくれるとは
思えません。

でも
見ていないとも
一概に言えないということは
わかっていました。

四九日が終わると
室内の
飾りのもなくなり
写真と
遺骨だけになりました。

お経を上げる習慣もなかった
上窒ナすから
朝晩に
何となく写真を見るだけです。

写真を見て
やはり思い出します。

上窒ヘ
仕事をして
忘れることにしました。

それに
一級建築士の
試験がありました。

2年の
実務を経て
受験資格を
得たのです。

夏には
学科試験を受け
年末に
実技を
受けることになっていたのです。

仕事と
勉強に
上窒ヘ
熱中しはじめました。












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2016年12月22日(Thu)▲ページの先頭へ
離婚という目に私も遭わなくて良かった

再放送で
「僕と彼女の生きる道」を
見ていました。

2004年の本放送は視聴率が20パーセント越えらしかったそうです。

離婚は
そう言う目に直接遭っても
子供として遭っても
不運です。

離婚が
不幸だとは
決まりませんが
幸せな結婚の方が
良いに決まっています。

もちろん
夫としても
妻としても
子供としてもです。

私は
今までに
そんな目にあっていないので
幸せです。

しかし
これからも続くとは
限りませんね。

緊張感を持って
過ごしていかないと
テレビを見て
肝に銘じました。

あなたも
「おきばりやす」






ブログ小説「大切な彼女は突然に」その68

夢の中では
『私を忘れて
幸せになってとは
言えないけど
私を思って
一生
寂しく過ごすことなど
ないように
して下さい』というようなことを
言っていたようなことを
思い出しました。

犯人なんか
怨まず
幸せに暮らせと言うことが
由美子の
真意なんだろうと
思うことにしました。

平日は
仕事に熱中するようにしました。

同僚に言って
体力がいる仕事を
譲ってもらうことにもしました。

週末になると
住職さんが
やって来るので
イヤでも思い出してしまいます。

由美子の写真を
見ていて
また涙が出てきました。

いつまでなんだろうと
思いました。

由美子のことを
忘れることがないので
きっと
いつまでも
いつまでも
涙が出るのだろうと
思いました。

そんな時間が
自分でも
いとおしいと
思うようになっていました。

時は過ぎ
四十九日の法要が
上窒フマンションで
行われました。

いつもと同じように
住職さんが来て
お経を上げて
少し長目の
法話をしました。

当時はやっていた
『千の風になって』にちなんで
そんな話でした。

亡くなった人は
光になって
みんなを
見守っていると言う話です。

「そうかな」とも
思うのですが
「そうでもなさそう」とも
思える節もあるのです。



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2016年12月21日(Wed)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その67

翌日の日曜日は
ジッとしていると
思い出すので
お掃除をすることにしました。

まったく汚れていないお部屋ですが
隅から隅まで
掃除をすることにしました。

昼ご飯もそこそこに
熱心にしたので
3時に終わってしまいました。

疲れて
ソファーに座って
休みました。

「由美子さんを
思い出してしまいそうだ。

由美子さんが
いた時は
よかったよなー

いろんな事を話が出来て

なぜ
いなくなったんだろう

、、



そうだ

由美子がいなくなった
原因は
一に
交通事故

あの交通事故の
ひき逃げ犯
捕まったと
由美子のお母さんから
連絡があったけど


あの
犯人が
悪いんだよね

でも
妙に
憎めないんだ

テレビを見ていると
交通事故の
遺族が
犯人のことを憎んでいるような
言葉を
言っているけど


もちろん
遺族の気持ちは
当然で
由美子さんの両親は
そんな風だった

僕も
そんな風には
思うけど
あまりにも
由美子がいなくなったことの方が
大きいので
憎む余裕すらないのが
理由かも知れません。

そうなのか

由美子さんは
誰にだって
親切だったし
好意的だった。

きっと
怨んではいないかも知れない」

そんなことを
思いつつ
あの時の
鮮明な夢が
思い出されました。




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2016年12月20日(Tue)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その66

にわかの
主夫が
料理をうまく作れるはずもなく
さんざんな出来出来たが
自分の作ったものは
何でも美味しいと言う大原則で
朝ではなく
三時のおやつに
食べてみました。

食卓の上に飾った
由美子の前にも
置きました。

小さな由美子の写真は
笑っているようにも
「食べて大丈夫?」と
言っているように見えました。

そんな休日を過ごして
翌日
仕事に出掛けました。

忙しい
仕事を
していると
由美子のことを
忘れることが出来ました。

週末で
休みになると
掃除洗濯と
家事をこなしていました。

由美子の
写真の前も
綺麗に掃除しました。

七日七日が
土曜日になっていて
土曜日毎に
住職さんが来て
お経を上げて
小さな法話をして
帰りました。

「やっぱり
由美子は
本当に
光になって
僕を見ている。」と
思うようにすることにしました。

でも
夕方
くらい中で
由美子の写真を見ると
また悲しくなりました。










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フェイスブックページをしています。


2016年12月19日(Mon)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その65

上窒ヘ
結婚前には
ひとり暮らししたことがありません。

結婚生活をはじめた時に
何も
出来なくて
由美子に
「少しは手伝って」と
言われました。

「料理や掃除洗濯を
勉強して
手伝ってね」と
言われた時に
「また
教えてもらって
ゆっくりだけど
上達するよ」と
答えたことを
思い出しました。

2週間では
洗濯物の
出し方や
ゴミの出し方程度しか
教えてもらえなかったので
料理は
まったく作れません。

翌日は
忌引きでしたが
食べ物を
冷蔵庫の中で探しましたが
すぐに食べるものは
ありませんでした。

仕方がないので
コンビニで
朝昼晩の
弁当を買ってきました。

家事を
何とかこなさないと
考えて
「男の料理の本」も
一緒に買ってきました。

その日は
読んでいました。

何もしないと
気が滅入ってしまうので
料理を
実践でもしようかと
近くの
スーパーマーケットに行って
食材を買ってきました。

明日の朝の
メニューでも
作り始めました。










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2016年12月18日(Sun)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その64

そんな感じも
上窒ノは
一瞬に感じました。

最後の別れで
由美子の顔を
ジーッと見て
涙しました。

それから斎場
そして骨揚げ
大きい骨壺を
大場家の墓に納骨して
小さい骨壺を持って
家に帰り
住職さんに
お経を上げて
みんなが
家から出て行くと
上窒ヘ
ひとりになってしまいました。

上窒フ両親が
「実家に戻ったら」
と勧めたけど
この日は
由美子と
2週間だけ暮らした
マンションで
過ごすことにしました。

ひとりで
お部屋にいると
由美子が残した
ものたちが
上窒
見ているように思いました。

『由美子に
見守れている?』と
思うようにしました。

疲れからか
眠たくなって
床につきました。

上窒ヘ
夢に中に
由美子が出てくることを
望んで
眠りに入りました。

次に
上窒ェ気が付いた時は
窓は
明るくなっていました。

「由美子さんは
夢には出てこなかった。

あの時見た夢では
『これが最後』と
言っていたけど
そうだったのか」と
気が付きました。



2016年12月17日(Sat)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その63

僕は
由美子さんと同じで
良い家族に恵まれたので
家では幸せだった。

学校では
それなりの
成績があったし
いじめられなかったし
普通だったよね。

やはり
不幸は
由美子さんと
会った頃から始まったかも知れない。

好きだろうか
嫌いだろうか
そんな事を
思い悩むことが
不幸だったかもしれない。

それに
今回
突然亡くなって
不幸のどん底

由美子さんの責任ではないけど
間接的には
由美子さんさえいなければ
今の不幸はあり得ない。

でも
由美子さんのおかげで
幸せに
なったのも事実だから
、、、、


、、、、、、、」
と
時間が
あまりあるほどあるので
そんな事を
何度も
何度も
考えていました。

告別式の時間が来ました。

由美子の
兄の家族や
遠縁の従兄弟の家族や又従兄弟の家族など
子供も
多く来ていました。

同じように
はしゃいで
笑い声さえ
聞こえてきました。

それも
いいかもしれないと
思いつつも
スッキリしない感じが
しました。



2016年12月16日(Fri)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その62

葬儀会館では
葬儀社の方が
お葬式を
代行していくので
遺族は
言われるがままに
行動するだけです。

夕方の
通夜には
由美子の
会社の上司や同僚
部下が
どばーっと
やって来ました。

上窒ヘ
頭を下げるだけです。

課長は
本当に残念そうに
会社での
由美子の様子を
話して
帰りました。

「会社でも
由美子さんは
がんばっていたんだ。

いつも
全力で
生きていたのかも
知れないな

夢の中で
『私は幸せでした』と
言っていたけど
本当かな

私に当てはめると
『由美子さんと会って
どうだったんだろう。

最初に
試験場で見た時から
好きになってしまって

でも
試験場であった
名前も知らない人と
再会できるなんて
絶対にないと
思って

でも
偶然
食堂で出会って
驚いたというか
僕にとっては
苦しみの始まりだったような

由美子さんが
すぐに僕を好きになってくれるなんて
あり得ないと考えつつも
苦しかった

つきあい始めて
もっと
苦しくなった

いつ
嫌われるかという
不安で
一杯だった

ああいう不安と
同居することが
幸せというなら
幸せだったかも知れないけど

それはきっと
幸せの
範疇では
ないような気がする





ロフト付きのサイトの最適化

14日の夕方から
15日の午前中まで
中小企業大学校関西校へ行っていました。

eコマースの
セミナーです。

ホームページは
こうあるべきだと
ご教示して頂きました。

言っておられることは
平易ですので
理解できましたが
実践するのは
大変かも知れません。

やはり
分かり易い
ホームページは
良いですよね。

でも
それが
難しいのですよね。

私どものロフトは
普通のロフトと
全く違うのですが
ホームページで
それが
わかって頂けているかというと
疑問です。







2016年12月14日(Wed)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その61

そんな言葉を残して
夢は
終わりました。

目が覚めました。

夢の経験は
あまりないけど
あまりにも
ビビッドな
夢でした。

上窒ヘ
横の
由美子を
見ました。

上を向いて
目をつむったまま
寝ていました。

変わりはありませんでした。

窓が
少し
明るくなっていました。

上窒ヘ
由美子の前に行って
ジーッと
ジーッと
見つめました。

動かない
由美子でしたが
夢の中の
言葉が
蘇ってきて
すこし
笑っているように
見えました。

時間が過ぎ
窓から
日が差し込んでくると
由美子の両親と兄がやってきました。

それでも
その平穏が
壊れることはありませんでした。

静かに
時は過ぎ
葬儀社が
やって来て
由美子を
葬儀会館に
搬送しました。


3人も
自動車でついていって
場所は
かわりましたが
同じように
寡黙に
時間が過ぎていきます。


2016年12月13日(Tue)▲ページの先頭へ
鉄製面格子の製作の仕方

鉄製面格子の製作をしなければならなくなりました。

入居者からの
カスタマイズです。

防犯に力を入れております。

そこで
がんばっていました。

鉄筋で作りました。

わりと細い
異形棒鋼SD10で
作りました。

SD10は
直径10mmの凸凹のある鉄筋です。

面格子の割りには
使った
鉄筋は細いです。

でも細い方が
うっとしくありません。

中からも
外からも
面格子が
バーッとあれば
邪魔ですよね。

そこで
細い鉄筋です。

細くても
格子に組んであるので丈夫です。

というわけで
作りました。

まず枠を
作って
それから
格子に組みます。

取り付け用
アングルを
取り付けたら
完成です。

10倍速で
見れば
なかなか手際よく
作っていますが
実際は
3時間かかりました。

仕事を
10倍速で出来たら
良いですよね。

でもダメだ
そんなに早くしたら
疲れてしまいます。

やっぱり
10倍速は
出来ません。





最近来る葉書は悲しい知らせ!!

皆様
12月に入って
手紙が来ませんか。


ダイレクトメールじゃなくて
喪中の葉書です。

歳をとると
そんな人が
増えてきます。

私は
何十年前から
年賀状を出しませんので
それは
来ません。

私の
女房は
筆まめですから
そんなのが
ザーッと
やって来ます。

1年で
亡くなる方も
多くおられるみたいです。

人は
必ず
死にますよね。

残念です。





ブログ小説「大切な彼女は突然に」その60まで

地球に住んでいる
生き物の
命の将来は
全く予想だにもできません。

同じように
この地球上で暮らす
人間も
同じです。

「朝に紅顔ありといえども
夕べには白骨となる」
身です。

大切に思った人でも
その例外ではありません。

逝った人も
先立たれてしまった人の心情は
どうだったんだろうと
思って
この駄作を
書かして頂きます。

50話で
由美子の
幸せになった
人生は
終わりになります。







あらすじ
大場由美子は
高校生の
ちょっとした出来事で
男性不信となります。

何もなく
その日一日が
送れることが
幸せだと
思うようにしていました。

そんな由美子は
時間が余ったので
資格試験を受けることになり
そこで
ある男性に出会います。

試験の結果は合格です。

でも
その結果を喜んでくれる人は
いませんでした。

ひとりでお祝いに
試験場の学食を
食べに行って
また男性に会ってしまいます。

いろいろあって
映画を
見に行くことになったのですが
、、、、、、、

映画に感動して
友達として
つきあっていくことなりました。

それとは別に
由美子は
大学に行きたくなってしまったのです。

大学で出会った
上苧Dに
プロポーズされて
その上
大学への
学費も出すと
言ってくれたのです。

由美子は
上窒フ深い愛情に
求愛を受け入れ
結婚することになりました。

大学受験にも
がんばることになりました。

大学に合格して
結婚
上窒ニの
幸せな
人生の始まりです。

しかし
人生は
一瞬にして
終わることもあります。

交通事故に遭って
幸せの
絶好調の時に
亡くなってしまうのです。

上窒ヘ
「よとぎ」のときに
夢の中で由美子に会います。


1
彼女は
大場由美子
23才です。

地元の高校を出て
ネット通販の会社に勤めて
5年
仕事にも慣れて
先輩には信頼され
後輩からは
慕われるようになりました。

毎日が楽しくて
日々生活していました。

由美子の会社は
週休二日制です。

休みの時には
家で
スキルを高めるために
勉強していました。

ネット業界は
日進月歩で
今の仕事が
いつまで続くか
わからないからです。

そんな用心深い
由美子だったのですが
用心深いと言うだけで
冒険をしなかったわけではありません。

それには
高校生の時の
経験が
トラウマとなっていました。

高校二年生の時に
憧れの先輩が
水泳部にいました。

由美子も
すっごく
好きになっていて
泳ぎは苦手なのに
由美子も
二年生になってから
水泳部に
入りました。

水着に着替えて
プールへ行きました。

憧れの先輩が
準備体操をしていました。

由美子も
同じように
準備体操して
体を濡らして
練習を始めました。

3年生から
順番に
泳ぎ始めました。

レベルが高くて
コーチが
いろんな事を
アドバイスしていきました。

由美子は
新入りですから
一番最後でした。

飛び込みができませんので
プールに入って
クロールで
泳ぎ始めたときに
そのことは
起こったのです。

2
みんなが見ているまでで
泳ぎ始めました。

水温が冷たくて
体が
あまり動きません。

足が
少し吊ったようになりました。

日頃運動していなかったのが
悪かったのでしょうか。

足が
動きにくくなって
半分溺れたように
手足を
バタバタしたのです。

それを見ていた
コーチは
怒って
怒鳴りつけました。

「遊ぶな
上がってこい」と
怒鳴りつけました。

由美子は
恥ずかしくて
顔を真っ赤にして
上がってきました。

それを
先輩は
笑っていました。

そして
由美子が
先輩の横を
すごすごと
通ろうとしたときに
その先輩が
小声で
「真剣にやってもらわないと
遊びなら
やめてほしい」と
言ったのです。

高校生の由美子は
ショックでした。

相当覚悟して
水泳部に入って
水着に着替えて
出てきたのに
そんないわれかたを
されて
ショックでした。

更衣室で
涙が
出ました。

その日以来
人を好きになることを
やめました。

どんなに
ステキな人が
現れても
見ないことにしました。

職場も
女性と
中年の男性ばかりで
由美子は
良かったと思いました。

3
職場では
女友達とは
仲良く付き合っていました。

何度も
合コンに誘われて
断り切れなくて
行くことになりました。

初めてですので
緊張しました。

友達の
後ろに付いていたというのが
いいかもしれません。

自己紹介も
おおざっぱに
由美子は
言いました。

相手の男性陣は
なかなか
場慣れしていて
なれなれしく
由美子に
話しかけてきました。

由美子が
嫌がっていても
お構いなく
話しかけて
困惑してしまいました。

やっと終わって
よかったと思ったら
二次会に誘われましたが
固持しました。

そんな事があってから
友達の女性陣には
「ノリの悪い子」と思われ
男性陣からは
「近寄りがたい女」と
思われてしまいました。

そして
二度と
合コンには
誘われなくなりました。

由美子は
それは好都合と
思って
殻の中に
閉じこもるようになってしまったのです。

4
そんな由美子を
両親は心配していました。

親は
適齢期になったので
見合いの話を
勧めたのですが
全く乗り気では
ありませんでした。

親は
心配していましたが
まだまだ
若いのでいいかと
思いました。

親公認で
結婚しないように
なってしまって
ますます
異性を
意識しないようになりました。

朝起きて
食事をして
混んだ電車に乗って職場に行き
いつもの仕事をして
終業のチャイムで
退社して
家に帰る決まり切った
生活パターンが
由美子は良いと思いました。

毎日
同じ事ができるのが
幸せだと思うようになりました。

時間が余るので
スキルを高める
勉強をしていました。

休みの日には
部屋の掃除や
お料理を作っていました。

それでも
週休二日制では
時間がありあまるので
図書館に
勉強のために
行っていました。

勉強は
学生の時には
あまり好きではなかったのに
不思議だと
思いました。





5
嫌いだった勉強も
できるようになって
もっと勉強して
お医者さんにでも
なろうかと
思ったのですが
やめておきました。

学費が続かないだろうと
思ったからで
学力が
不足だとは
なぜか思いませんでした。

医師を目標とすべき
理由もなしに
医師になるのは
少し心がとがめました。

やはり今の仕事で
技術を
磨くのが
いいと思いました。

そこで
IT業界に勤める
由美子は
IT関連の資格を
取ることにしました。

取ったからと言って
由美子の勤める会社では
資格手当が
支払われることも
ないのですが
そんな事しか
考えつかなかったのです。

猛勉強と言うより
時間を
もてあましての
勉強だったのですが
どういう訳か
うまくいったのです。

試験場では
時間が余ったので
他の受験者を
観察していました。

やはり
若い人が
断然多く
30歳過ぎの男性の方が多かったです。

そんな男性の中に
少し
神経質で
最後まで
答案用紙を
見直しているようでした。

その見直しが
何か独り言をいうように
ブツブツいっていました。


6
「独り言を
そんな大きな声で
いうなよ」と
由美子は思いつつ
そう言えば
私も言っているかも知れないと
思って
思わず
笑ってしましました。

そして
試験のことを考えずに
独り言をいっているかどうか
考えました。

はやり
独り言を
言っていっていました。

やはり注意しないと
いけないと思いつつ
考えていると
時間が来て
試験が終わりました。

途中退席を
大方の人はしていて
由美子の近くは
例の
ブツブツ言う
男性だけでした。

試験官が
答案用紙を集めてきて
数量を確認するまで
座っていました。

見るともなしに
見ていたら
男性は
筆記具を
鞄の中にしまうときに
リンゴとミカンともうひとつが
入っていたのです。

普通
試験場に
ミカンはいいとしても
リンゴは
普通持ってこないと思ったのです。

そして
もうひとつのものなど
絶対に持ってこないと思いました。

もちろん
受験要領の
持ち込み禁止の中に
そんなものは
入っていないことは
わかっていました。

またまた笑ってしまいました。

笑ったところを
見られてしまったのです。

恥ずかしくなりました。


7
目と目があって
軽く会釈してしまいました。

その男性は
そそくさと
前のドアから出ていったので
由美子は
後ろのドアから出ました。

試験が行われているのは
有名な大学で
高卒の由美子は
見るもの
聞くもの
新鮮でした。

調べると
学食が
有名で
一般人でも
食べられるので
行ってみることにしました。

案内図を参考に行ったので
ぐるっと回って
学食に到着すると
日曜日で
休みでした。

前の
コンビニは
営業していましたが
用がないので
帰ることにしました。

残念と思いました。

もし
試験が合格していたら
お祝いに
休みを取って
学食に食べに来ようと
思いました。

駅まで歩いていると
前を
例の男性が
歩いていました。

駅に着いて
電車を待っているときも
前に例の
男性がいました。

同じ電車に乗って
途中で
乗り換えです。

その男性は
乗換駅で
サッサと下りて
由美子の前を
歩いて
次の
電車も一緒でした。

由美子は
ストーカーかと
思いました。


8
ストーカーは
つきまとう人のことですから
前を歩く
あの男性は
そう言う定義からすると
ストーカーではないと
おもいました。

むしろ
自分がストーカーではないかと
思ったのです。

気になって
見ていると
かの男性は
鞄からミカンと
ティッシュを取りだし
ミカンの皮を
ゆっくりと剥き始めました。

白いところを
ジックリと
取り始めました。

それを
見ていて
由美子は
笑いがこみ上げてみました。

ミカンと
関わっている
男性を
食い入るように
見ている
自分が
面白くなったのです。

そんなの見てどうすると
思ったのですが
気になって仕舞って。
見てしまったのです。

見るべきでないとわかりつつ
見ていると
一袋ずつ
食べて
ゆっくりと
ティッシュを片付けました。

駅到着すると
降りていきました。

由美子の降りる駅の
ひとつ手前でした。

もうこれで
見なくていいと
思いました。



9
由美子は
電車降りて
階段を下りていく
男性の横顔を
電車から見ていました。

壮観な顔つきで
男という
感じでした。

男性に不信を持つ
由美子は
男性を
じっくり観察することなど
高校以来
初めての出来事です。

観察して
その結果は
わかりませんでした。

だって
同じ試験を受けて
試験場に
リンゴとミカンと
もうひとつを持ってきていて
隣の駅に
住んでいるということしか
わからなかったからです。

情報が
全く少ないと
思いました。

そんなことを思いつつ
一日が過ぎ
翌日は
同じような毎日の始まりです。

今回の試験が
合格すれば
次は何よしようかと
楽しく
悩んでいました。







10
日々
平常心の
日常が
過ぎていきました。

由美子の
父や母は
平常・普通・変わりないが
一番いいと
口癖でした。

その流れで
由美子も
毎日同じが
一番いいと
思うようになりました。

そんな日常が過ぎて
発表日がやっていました。

会社で私的な
ホームページを
見る事は禁止されていて
ディスプレイが
録画されていて
監視員までいたのです。

スマホがない時代でしたので
由美子は
楽しみしながら
家に帰りました。

家に帰って
すぐに
パソコンを見ました。

由美子の
受験番号
を見付けました。

初めての
国家試験合格で
嬉しくなりました。

運転免許も
持っていないのに
これに合格するなんてと
わけの分からぬ事を
思いつつ
喜びました。

両親にも
それをすぐに
話しましたが
全然
感動も
おめでとうの言葉も
ありませんでした。

両親は
そんな事より
結婚することを
勧めていたのです。

会社に行って
上司や同僚に話しましたが
別に
反応は
ありませんでした。

あんなに努力したのに
誰も
感動してくれないって
何か
虚しく感じました。







11
小さい時から
そうだと思いました。

兄は
少しのことでも
誉められても
妹の由美子は
誉められなかったように
記憶していたのです。

由美子は
自分で
自分を誉めてあげようと
思いました。

試験の時に
合格したら
学食に
食べに行こうと
決めていたことを
思い出しました。

翌日
課長に
休暇願を出しました。

課長は
有給休暇の
消化が
低い由美子の
休暇願を
喜んで承認しました。

連休にしたらと
言ってきたくらいです。

でも
一日だけにして
朝から
大学に行くことにしました。

母親に
「今日は
休んで
遊びに行きます」と
言うと
驚いていました。

病気とか
冠婚葬祭以外で
休んだことがないので
驚いていたのです。


電車は
学生で
混んでいました。


12
混んだ電車の中は
学生で一杯でした。

みんな携帯を見て
メールをしていました。

「今時だな」と
思いました。

結構
由美子も若いのに
そう思ったのです。

大学に到着すると
昼のランチまでは
まだまだ時間があったので
学内を
見て回りました。

図書館があったので
中に入りました。

学生風なら
何のおとがめもなく
中に入れたので
図書館の
一番にいい席に
座りました。

外が見渡せる
窓際の席で
図書館内部も
見渡せました。

雑誌を
書棚から取りだして
見るとはなしに
大学生を見ていました。

みんなは
学生生活を
楽しんでいる様子でした。

懐かしいような
気分になりました。

秋晴れの天気が
そう思わせたのかも知れません。

ランチが始まる時間になったので
学食に行って
Aランチの食券を買って
トレーに載せてもらって
空いていたので
ここでも一番いい席に
座りました。


13
由美子は
いつも
食事は
ゆっくりです。

両親が
食事は
ゆっくりと
食べるように
指導していたためでもありました。

由美子は
ゆっくり食事をしていると
大学の授業が
終わったのか
ドッと
学生がやってきて
みるみるうちに
席は
一杯になりました。

4人掛けの
テーブルに
最初筋向かいに女性が
次に隣に女性が
そして
向かいに男性が
トレーを持って
座りました。

由美子は
窓の外を
見ていたので
どんな人が
座ったかは
わかりませんでした。

なにげに
目を
正面に移すと
男性が
食事をしていて
目と目があって
思わず
「アッ」と
小声で
言ってしまいました。

例の男性だったのです。

男性の方も
わかったのか
同じように
驚いた様子でした。

由美子は
少し汗が出ました。

窓の外をみて
やり過ごそうとしました。

しかし
男性が
声を掛けてきたのです。
14
「試験受けていましたよね。
どうでしたか」と
尋ねてきたのです。

無視するわけにもいかず
少し愛想笑いをして
「試験合格しました」と
小声で答えました。

これで
会話が終わりと思っていたのですが
なおも
話しかけてきたのです。

男性:
それはよかった。

僕も合格したんですよ。

昨年より少し易かったように
思います。

以下()内は由美子の
独り言です。
すこし
下品に表現していますが
由美子は
お上品な性格です。

(あなたが
合格したかどうかとか
問題が易かったとか
そんな情報要らないわ)

由美子:
よかったですね

男性:
そうなんです

二度目なんです

苦労が報われてよかったです。

あなたは何回目ですか

(バカじゃないの
あの程度なら
1回で合格しろよ

勉強しなかったのかよ
私なんか)

由美子:
一回目です

男性:
頭いいんでね
僕なんか
ダメですよ

(そうそう
ダメダメね

顔も普通だし
頭ももうひとつ
いいところないじゃないの)

由美子:
そんな事ないです
私が
合格したのは
運です。

(本当は
もちろん
実力と
努力)

男性:
そうかもしれませんね

(バカにされた??

何を言うの
この男!!!

実力と言えよ)

由美子:
そうですね

男性:
何学部ですか

(このバカ
そんな事聞くな

本当のことを
言えないだろう)

由美子:
それは
、、、、、


男性:
当てましょうか

IT関係ですよね

情報処理学科でしょう

(なんで
そんな推理なの

仕事はそうだけど

そこまで推理するか
当たっていないし
面倒な人だ

これに乗ってやろう)

由美子:
えっ
えー

男性:
図星でしょう
勘だけは
当たるんですよ

これから
授業ですよね。

(全然当たっていない!

何を勝手に
言っているんだ。

早くどこかに行けばいいのに)

由美子:
いいえ
帰るところです。

男性:
いや
当たらなかったな

僕
工学部の
4年生で
上苧Dといいます。

メルアド
交換できませんか

(突然
何を言うのこの男は

メルアドなど
交換できるわけないでしょう

でもこの場は
使っていない
フリーメールアドレスでも
教えておこう

こんな時のために
用意していてよかった。)

由美子は
携帯を取りだして
メルアドの交換をしました。

男性:
私も帰りますので
駅まで
一緒に行きませんか

(何をおっしゃるの

あきれたものだわ)

由美子:
友達と
待ち合わせているので
それはちょっと

男性:
そうですか
残念です。

15
名前
何というのですか
教えて下さい。

(個人情報を
聞いてくるな

ハンドルネームでも
言っておこうか

でも
信じないし
何がいいかな

こっち見ている

面倒だよね)

由美子:
大場です

男性:
大場さんですか

大場と
上窒ヘ
似てますよね

(「ば」だけじゃないの
大と
上は
全然違うじゃないの)

由美子:
そうですね

こんな話が
30分以上続いて
由美子は
約束の時間だからと
言って
やっと
その場を立ち去りました。

高校以来
男性と
仕事以外で
話したことは
親以外ありません。

冷や汗だと
思いつつ
よくもまあ
「突っ込んだよね」と
思いました。

由美子は
電車に乗って
帰りました。

家に帰ったら
3時頃で
おやつをたべながら
昼の出来事を
考えました。

値段は安いですが
学食の
Aランチの
味は
普通でした。

そんな事より
ナンパされたことが
記憶に残りました。

「私って
女としての
魅力があるのかしら

えへ

やはり
私は
美人のだ」と
思いました。

そう思うと
何か嬉しくなりました。

「でも
もう少し
イケメンに
ナンパされたかったな」とも
思いました。
16
大学での
楽しい雰囲気が
忘れられません。

大学へ
行きたいと思いました。

高校生の時は
もう勉強は
いいと思っていたのですが
やはり
一度は
大学生になってみたいと
思ったのです。

大学生になるには
ふたつの障壁が
あると思いました。

ひとつは
お金です。

学費も
生活費もいるし
今の蓄えは
500万ほどなので
学費に
300万以上使えば
4年間の
生活費は
200万円ほど
しか残りません。

食費と
その他の費用が
年50万円では
少し心細いと
思いました。

両親に
反対されて
家を出なければならなくなったら
お家賃もいるし
そうなると
もう絶対に無理だと
考えました。

それに
もうひとつの
学力の問題です。

高校時代は
成績は
よくなかった由美子には
高い障壁です。

やはり大学には
無理かと思いました。

夜間大学は
殆どなくなってしまったし
やっぱり
大学生は
無理よね







17
でも
やっぱり
大学生は
優雅でいいよねと
思い続けていました。

インターネットで
何かいい情報がないかと
調べていると
ユーザー登録すると
いろいろと調べられる
サイトを見付けました。

そこで
例の
フリーメールアドレスを
使って
登録しました。

承認するメールが
届くので
フリーメールを
見る事にしました。

いろんな迷惑メールが
やって来ていました。

パーと見てみました。

その中に
「大場さん今度映画でも」という題の
メールが
何通もやって来ているのです。

いつもなら
やり過ごすのですが
何となく見てみました。

どう見ても
大学で出会った
例の男性
確か
上窒ニか
言ったのでしょうか。

毎日
決まって
1通ずつで
5通も
来ていました。

どうしようかと
考えました。

このままやり過ごそうか
それとも
返事をしようかと
思いました。

メールの中に
見たい映画の
題名が書いてあったのです。

その映画
見たかったと
思ったのです。

映画館に
ひとりで行くと
何となく
隣の
カップルが
気になって仕舞うのです。

そこで
映画に行くのを
ためらっていました。





18
「上窒ウんを
利用して
久しぶりに
映画でも
見に行こうかと
思いました。

ひとつだけ
心配なのは
由美子が
学生だと
思っていることでした。

学生だとは
言っていないのに
勝手に
そう思い込んでしまったのです。

「やはりここは
告白

告白ではなく
連絡しないと

OLだと
メールで
まず伝えないと」と
考えて
ささっと
メールを送りました。

送ったら
つかさず
返信が来ました。

「早
何と言うこと
そんなに早く
返信できるって
勉強しろよ」
と思いつつ
メールを見ました。

「知っています。

すぐに
情報処理学科に行って
確認しました。

大場さんは
私が
最初予想したから
恥をかかさないように
そうしたんだよね

大場さんて
優しい人なんですね

友達に
なりたいです」と
返信してきたのです。

「何と言うこと
お人好しの
人ね

単に
邪魔くさかっただけなのに

上窒ウんは
本当に良い人かしら

それとも
単純なバカ

どちらでもいいわ」と
思いつつ
映画に行く
メールを
送りました。





19
タイタニックでも
見に行こうかと
思いました。

すぐに返信がやってきて
行くに日が決まりました。

次の日曜日に
隣の駅で
待ち合わせることになりました。

どんな服を着ていこうかと
悩んでしまいました。

普通なら
楽しい悩みだと
思うのですが
上窒ヘ
好きな相手でもないし
だから
デートでもないしと思いました。

それなら
どんな服でもいいので
悩やむ必要もないと
思いました。

そこで
試験でも
着た服に
厚着の
セッターを着ました。

秋も深まって
少し肌寒い日でした。

由美子は
厚着をしていたので
寒くはありませんでした。

由美子が
到着するまえに
上窒ヘ
待っていました。

ビシッと
決めた服装で
やって来ました。

かなり薄着でしたが
楽しそうに
待っていて
由美子を見るなり
手を振って
近づいてきました。







20
上窒ヘ嬉しそうでした。

由美子の所まで
やって来ると
少し息が上がっているようですし
顔が
赤くなっている様にも
見えました。

(上窒ウんたら
そんなに興奮してどうするの

それに
全力疾走でもないのに
なぜ息が上がるの)

由美子:
お待たせしました。

上秩F
待ってません

(だいぶ無理しているのが
見え見えですよ)

由美子:
そうですか

よかった

上秩F
今日は
タイタニックですよね

楽しみです。

(本当にそうなの)

由美子:
上窒ウんも
好きだったんですね
よかったです。

上秩F
大場さんと
同じ好みで
よかったです。

(本当にそうかな
映画趣味なんでしょうか

聞いてみよう)

由美子:
最近見られた映画は
何ですか

上秩F
えーっと
たくさん見たし
えーっと

(やっぱりウソね
でも
私も
最近映画見ていないし)

由美子:
たくさんあったら
すぐに出ないですよね
私もそうなんです。

上秩F
そうなんですよ
大場さんは
どんな映画

(えー
そんなこと
自分も知らないことを
人に聞くなー)

由美子:
たくさんあって
すぐに出ません

上秩F
そうですよね

入りましょうか

チケット買っておきました

(やった-
だだで見れるぞ-

気前が良いぞ)

由美子:
ありがとうございました。

ポップコーン
私が買いますので

上秩F
ありがとうございました。

(ポップコーン
だけですんで
うれしい

ポップコーンも
私が全部食べてやるー

えへ)

ポップコーンを持って
ふたりは
映画館へ入っていきました。








21
少し早かったので
真ん中の
中程の席に座りました。

既に座っているカップルが
ポップコーンを
ふたりで
すこしずつ
食べていました。

映画館の中は
暖かいので
由美子は
上の
セーターを
脱ごうかと
思ったのですが
中が
試験日と
同じ服装なので
どうしようかと
悩みました。

でも
だいぶ前のことなので
覚えていないだろうと
思って
上着を脱ぎました。

上窒見たら
じっと見ていて
目と目が合ってしまいました。

上秩F
良い服ですね

勝負服ですよね

(何をおっしゃる
うさぎさん)

由美子:
勝負服って

上秩F
勝負服というのは
大事な時に着る服ですよね

試験日にも
着ていたでしょう

やっぱり勝負服

(えー

そんな風に
理解するんだ

上窒ウんは
ちょっと違うよね

上窒ウんは
この映画も
大事だと
思っているんだ。

なんて
バカなの

私の本心を
なぜわからないのだろう)

由美子:
そんなつもりではないのですが

上秩F
隠さないで良いですよ

(何と言うことでしょう
そんな風に理解するのは
どういう事なのか
わからなくなってしまった

ここはズバッと
聞いてみよう)

由美子:
上窒ウんは
私のことを
どんな風に思っているんですか

(聞いてやったわ
さあどうする
上秩j





22
上窒ヘ
その意地あるそうな
その質問に
速攻で
答えました。

上秩F
好きに決まっているじゃないですか

付き合っているのに
そんな事聞くなんて

もうすこし
ロマンティックな
場所を用意して
プロポーズしようと思っているんですよ

(えっ

私たちが
付き合っている!
そんなバカな

何を言っているのか

プロポーズは
絶対にあり得ない

独りよがりの塊か)

由美子:
私たちは
付き合っていません。

それに
私は
あなたのことを
好きでもありませんし
第一
あなたのことを
何も知りませんし

と言ったところで
映画の
予告編が始まり
話ができなくなりました。

ふたりは
何も言わずに
ポップコーンを食べて
コーラを飲んで
映画を
見続けました。

映画タイタニックは
突然恋に落ちたふたりが
また突然
ひとりが
死んで
引き裂かれるという
内容です。

そんなに突然
好き合うなんて
あり得ないと
由美子は
考えていました。

上窒フ方は
ありぐちな話だと
考えていたようです。

映画の
エンドロールが流れて
明るくなって
ふたりは
顔を会わすと
ふたりとも
涙目でした。




23
ふたりとも
映画に感動して
感情的になってしまったのです。

そんな風になって
黙って
映画館を出て
喫茶店に入りました。

由美子は
席に座って
一呼吸置いて
映画を見る前のことに
やっと思い出しました。

あの続きをしないと
誤解されたままでは
と思ったのです。

そこで
反復しました。

由美子:
私たちは
付き合っていません。

それに
私は
あなたのことを
好きでもありませんし
第一
あなたのことを
何も知りませんし

と言いましたよね

上窒ヘ
映画の世界から
まだ帰ってきていなくて
ロマンティックな世界に
浸っていました。

由美子の質問を
あまり理解していないような
答を
したのです。

上秩F
そんな
そんな事ないでしょう

また冗談を言って

こんど
僕の両親にあってもらうから

説明するね


(全然理解していない
大きな声で
言ってやろう)

由美子:
何を言っているの

私は
あなたのことを
好きでないの

だから
付き合っていないの

それに気付いて下さい

わかりましたか。


上窒ヘ
現実の世界に帰ってきて
「わかりました」と
小声で言ったのです。

その後すぐに
上秩F
付き合っていないことは
わかりました。

だったら
今から
付き合って下さい。

絶対に
あなたを幸せにしますから

(まだわからないみたい
ハッキリ言った方が
いいよね)

由美子:
付き合いません

(またまた言ってやったわ)



24
上窒ヘ
とても
狼狽した様子で
目を
丸くしていました。

困った様子で
頼むように
由美子に言います。

上秩F
わかりました。

すみませんが
友達からでも良いです。

無理なことは言いません。

お願いします。

(ここまでいっても
諦めないのは
本当に
私のことが好きなのかな

可哀想だし
友達になってやろうか

話していて
楽しいし

人助けにもなるし)

由美子:
だったら
友達と言うことで

また映画でも
見に行きましょうか

上秩F
行きます
行きます

映画ですよね

今度は
どんな映画にしますか

やはり
ロマンティックなもの

(誤解されたら困るから
それはダメだよね)

由美子:
ハードボイルドなのが良いわ

上秩F
それも良いですね

マッチョになる様にします。

この後
話は
和やかにすすみ
当然何もなく
ふたりは
別々の駅へと
帰って行きます。






25
「ハードボイルドは
良いですよね。

ドンパチの映画見たら
スカッとしますよね。

必ず行きましょうね。

次の日曜日なんかどうでしょうか

ねっ
次の日曜日」
と言って
去っていきました。

(どうしようかな

まあ
勉強もあるし
次の日曜日は
無理だよね)と考えて
家まで帰りました。

家に帰ると
母親が
「楽しいことあったの」と
言ってきました。

由美子は
母親からは
楽しく見えるのだと
思いました。

やっぱり
上窒ニ
会っていたら
楽しいかも知れないと
思いつつ
「そんなの堕落」と
わけの分からないことを
思いつつ
時間が過ぎました。

メールが
毎日
一通ずつ
やって来ていました。

由美子は
3通で
1通返すようにしていました。

すべて返すと
クセになるから
ダメと
考えていたのです。


26
そんな待遇を受けながら
上窒ヘ
へこたれずもせず
毎日
メールを送ってきたのです。

文面は
わりと長くて
一日の出来事を
事細かに書いていてありました。

大学生の
上窒ネのに
そんなに
変わった出来事がないはずなのに
友達のこととか
ゼミのこと
通学途中の
電車の中のことなんかを
書いてありました。

最後に
由美子への
思いも
少しだけ書いてありました。

段々読み続けると
上窒フことが
わかってきました。

わかったからと言って
好きになることはないと
由美子は思っていました。

というか
絶対に
好きにならないと
決めていました。

なぜこんなに
こだわるのかが
由美子自身も
わけが分からなくなりました。

それとは別に
由美子は
受験勉強を
始めていたのです。

公立の
大学へ行くことができれば
大丈夫と考えたのです。

寝るのも
削って
勉強していました。

27
学力が伸びて
大学に入学できるなど
実際は
無理だと
由美子は思っていましたが
何せ
閑だから
勉強していました。

夢を
持つことは
世間では
良いことになっていますので
由美子も
それに習っている
感がありました。

そんな勉強ばかりの
日々の中で
上窒ゥらのメールは
ひとときの
休息を
与えるようなものでした。

メールを見ていると
大学生は
やはり良いとも
思っていました。

映画を見てから
3週目になった頃も
同じように
メールが来ていて
よく種切れにならないものだと
考えて
ここは
「デートでも
してやるか」と
そんなメールを
送りました。

今度は
映画ではなく
大学の中を
案内するように
お願いしたのです。

上窒フ
返信は
いつものように
超速で
やって来ました。

明日でも良いと
連絡がありましたが
それでは
会社に
休暇届を
出せないので
仕事の少ない
木曜日にしようと
言うことになりました。

上窒ヘ
メールの文面から
相当嬉しそうでした。

由美子もそれを見て
何となく
暖かくなりました。

28
由美子は
木曜日が
待ち遠しいく
思いました。

勉強していても
なぜか
心が入りません。

大丈夫と
思うことにしました。

何か大丈夫か
よく考えると
わかりません。

このことについては
由美子の
いつも理路整然とした
考えが
及ばないことでした。

着ていく服が
ないと考えた
由美子は
会社終わりに
いろんな店を
見て回りました。

合理的な思考を
大事にする
由美子には
店員の
言葉は
全く信用できなくて
いつもは
うんざりしていていました。

その日は
なぜか説得力を感じた店員の
言葉を信じて
ファーの付いた
淡い色の
コートを
買いました。

休暇願も
課長に出すと
課長は
少し笑って
判子を押してくれました。

木曜日
両親に
友達と大学に行ってくると
言って
出掛けました。

前と同じ駅前に
前より
もっと早く着きました。

でも
同じように
笑顔で
手を振って
笑顔で
近づいてきました。






29
わりと大きめの声で
「おはよう
大場さん」と
上窒ヘ
挨拶してきました。

由美子:
おはようございます。
今日はよろしくお願いします。

上秩F
いいえ
なぜ大学なんですか

由美子:
大学を
よく知りたくて

上秩F
大学好きなんですか

由美子:
興味があるのです

上秩F
大学行きたいんですか

由美子:
できれば
でもダメですよね

上秩F
そんな事ないと思いますよ
大場さんは
私より
頭いいし

由美子:
そんな事ないです

上秩F
それなら
大学行けば

由美子:
無理なんです

学費が
続かないんです

先立つものがないと
大学には行けません。

大学は
諦めます。

でも
今日は
大学に行きたいなと
思うんです。

上秩F
簡単に言って
すみません。

少し深刻になったふたりは
満員電車に乗って
大学へ向かいました。

大学に着くと
活き活きした
空間が
ふたりを
包み始めて
前向きな気持ちになってきました。

30
楽しく
大学を見て回り
それから
上窒フ
受講する
教室に向かいました。

教室の
前の方に座って
先生を待ちました。

授業は
都市計画学で
都市は
どんな風に計画するかです。

由美子には
あまり興味のない
学問ですが
なぜか
楽しくなりました。

大学の
雰囲気というか
臭いというか
それが
なんか
たまらなく
良いものだと思いました。

授業を受けている
学生を
見回しました。

まじめに
受けているものもあれば
全然聞いていないものも
いるようです。

上窒ヘ
まじめな方のように見えました。

授業が終わって
学食に向かいました。

学食で
となり同士に座りました。

例によって
上窒ヘ
人なつっこく
話しかけてきました。

時候の話や
政治・経済の話などを
上窒ヘ
流暢に話しました。

上窒ヘ
本当に話が
上手だと
由美子は
思いました。

31
由美子自身は
話が上手でないと
思っていました。

口べたな
由美子は
上窒
少し見直しました

午後からは
上窒ヘ
ゼミになっていて
少人数ですから
由美子が
紛れ込むことは
できませんでした。

由美子は
図書館へ行って
勉強をすることにしました。

冬のグラウンドが見える
窓際の席に座りました。

外は
寒そうでしたが
中は
陽光のために
気持ちよく
暖かかったのです。

何となく
眠たくなって
寝てしまいました。

こんなのは初めてです。

昼間に
眠気をもよおすことなど
なかったのに
ウトウトとしてしまいました。

そして
寝入りました。

そして
夢を見てしまいました。

大学生になっている
夢でした。

暖かい
大学で
勉強している姿でした。



32
夢の中で
勉強して
それから
大きな部屋で
試験を受けるのですが
解答用紙が
見あたらないので
焦っていくという筋書きでした。

思わず
声を上げたら
目が覚めて
上窒ェいたのです。

上秩F
どうしたの

何かうなされていたような

由美子:
夢を見ていて

上秩F
どんな夢

由美子:
大学で
テストを受けている夢です。

上秩F
そうなんですか

僕もそんな夢を
試験前には
よく見ます。

一緒ですね

由美子:
一緒かな

上秩F
由美子さんは
賢いから
大丈夫だと思うんだけど

由美子:
そう言う問題やないと思うけど

夢は
よくわからないですよね。

上秩F
夢って
何なんでしょうね

由美子:
よる見る夢は
ともかく
夢は
なかなか叶わないですよね。

上秩F
やってみないとわからないんじゃないですか

それは
大学へ行く夢ですよね

目が覚めた
何となく
夢心地で
話していたのですが
そう言われて
由美子は
現実の世界に
戻ってきて
しまいました。



33
ゼミを終えて
帰ってきた
上窒ニ
大学から帰り始めました。

来た時より
由美子は
暗い表情でした。

大学へ行きたいのに
いけないためのものだと
上窒ヘ
思いました。

上窒
その表情から
由美子のことが
わかりました。

ふたりは黙って
電車に乗って
ふたり並んで
座りましたが
会話はありませんでした。

「またね」と
言って
ふたりは別れました。

それ以来
由美子は
勉強にも
仕事にも
身が入りませんでした。

上司からも
注意されたくらいです。

上窒ゥらは
同じように
メールがやってきていました。

一週間くらい経った頃
上窒ゥらの
メールを見た
由美子は
あまりの内容に
唖然としました。

いつものように
近況の内容でしたが
最後に
「大場さん

大学に行くのを
応援します。

僕も
やっと
就職が決まって
経済的に
余裕ができました。

大場さんが
大学に行くのを
金銭的に
応援します」と
書かれていました。

34
以前
お金が続かないと
言ったことがあるので
そんなことを言うのかも知れません。

「でも

それって
政略結婚

いや
政略結婚は
金持ち同士の
結婚だから
これは
政略結婚ではないよね

うーん

だったら
人身売買

大学へ行くお金で
私って
上窒ノ買われた

それはないよね

私なんか
誰も買わないよね

やっぱり
私が好きだから

そうなの

私は
どうなのかしら

上窒ヘ
いい人だとは
思うけど
私って
上窒ウんのことが
好きなのかしら

結婚したいほど

わからないな

ところで
上窒ヘ
私のどこが
好きになったんだろうね

容姿端麗って
というほどの事もないので
わからないなー

やっぱり聞いてみるのが
一番かも知れませんね」と
由美子は
考えを
巡らしました。

メールで
思いついたことを
聞いてみることにしました。

上窒ヨは
久しぶりのメールです。







35
由美子のメールに
すぐに返信がありました。

さすが
上窒セと思いつつ
メールを見ると
「久しぶりのメールありがとうございます。

(ひさしぶりで
すみません。

でも
上窒ウんのように
毎日メールを出すほどの
話題もありませんので)

さておたずねの件ですが
どこが好きかと言われると
『すべてです』と
答えるのが
本筋かと思います。

(そうよね
私のすべてが
良いのよね
照れるな−)

でも
正直に言うと
そうではないのです。

(なに!
上秩j

あなたの好きなところなど
わからないのです。

(なに!
好きなのは
冗談?)

人間が
人を好きになるこの現象を
説明するには
難しい

私が
大場さんを
好きになった理由なんて
それは
わかりません。

きっと神さまでも
わからないと思います。

(そうよね
人を好きになる理由なんて
わからないですよね。)

でも
私が
あなたを好きなことは
真実です。

(そうなの
そんなに
好かれているのかしら

少し嬉しいわ

少しだけだけど)

ごめんなさいね
おたずねに
正確に答えられないことを

好きなことだけは確かです。

それから
大学の費用だけど
別に
私と結婚するという条件は
ありませんので、、、
ご心配なく

心配などしていませんよね。

(政略結婚
いや
人身売買
でなかったんだ

上
なかなか
いいじゃないの)」という
内容でした。





36
メールを
何度も読み返して
上窒フ
真意が
わかったように思います。

『上窒ヘ
私が
好きなんだ。

理由は
よくわからないけど

私が
好きなんだ

こんなに
男の人に
思われるのは
人生で初めてというか
、、、、、

上窒フ
思いを受け入れて
結婚でも
して

それから
大学へでも行くか

でも
それって
どこか
違うと思うの

上窒ヘ
私が好きだから
結婚したい
結婚したら
私を
大学へ行かせてくれる
それは
間違っていない

じゃ
私はどうなの

もし
私が上窒ェ好きなら
結婚して
上窒ノ甘えて
大学へ行っても
問題ないけど


私が
上窒好きでなかったら
これはやっぱり
人身売買

つまり
私が
上窒
好きかどうかが
問題なんだ

私って
上窒ェ
好きなんだろうか

好きって
どんなこと

やっぱり
一緒にいたいとか

慈しみたいとか

そんな事じゃないかな

そんな風に思うと
まだ
上窒ヘ
そこまでいっていないような
感じがする。

でも
何も知らないからかも知れない

それじゃ
付き合ってみようか』
という考えに至りました。



37
メールで
そのことを
上窒ノ伝えると
すぐさま返信がありました。

「ただただ嬉しい」
と書いてありました。

いつもの
くどいほど長い
メールと正反対です。

良かったと
思いました。

この日から
由美子は
上窒フ
メールに
すべて返信するように
しました。

ただ
短文でしたが
それは
上窒ヘ
嬉しかったのです。

デートは
勉強があったので
週一程度でした。

上窒ゥら
名前を
聞かれました。

はじめにあった時に
大場としか
言っていたなかったので
上窒ヘ
下の名前を
知らなかったのです。

由美子と
答えると
「優と由美子は
相性が良いですよね。

どちらも
仮名で書けば
3文字だし
相性良いですよね」と
いつものように
わけの分からぬことを
書いていました。

「上窒チて
いつもこんな感じですよね。

上窒ヘ
優って言うんだ

最初に
そんな事を
聞いたよな気もするけど
忘れてしまったわ

付き合ったいるんだから
上窒ウんではなく
優さんと
呼んだ方が
良いのかしら

きっと
優と
呼んだら
喜ぶでしょうね

やってみましょう」
と思いました。

38
付き合って
初めてのデートの日
由美子は
『優さん』と
呼んでみました。

そしたら
予想通り
大喜びして
由美子の手を
両手で握りしめ
目がキラキラしていました。

少し涙目でした。

由美子は
優さんって
分かり易い
いい人なんだと
確信しました。

この時から
由美子は
優が
好きになり始めたのです。

由美子が
楽しくデートしていると
優は
それがわかるのか
もっと嬉しそうでした。

互いに
慈しみ合って
愛情は
大きくなってきたのです。

数ヶ月後
花火の夜に
優は
由美子に
プロポーズしたのです。

大きな花火が輝いた時
『あの花火は綺麗だけど
すぐに消えてしまう。

でも私の愛情は
見えないけど
消えることはありません。

私と
一緒に
日常を過ごしましょう。

私と
あなたが
一緒にいることの
日常の幸せを
噛みしめてみましょう。

ね。」と
告白したのです。

由美子は
涙が出てきました。

暗闇の中だったので
周りの人には
わからないので
ふたりは
一杯涙を流して
抱き合いました。

そして
由美子は
『ありがとう
これを
ふたりの
日常にしましょうね』と
言いました。



39
由美子は
「よかった」と
思いました。

考えてみれば
試験を受けて
近くに優さんがいたから
そして
合格して
みんなに喜んでもらえなくて
大学へ行ったら
また優さんに会って
偶然の出来事だけど
きっと
きっと
ふたりは出会いは
決められた
ことなんだと
思いました。

会う理由となった
勉強も
身を入れて
真剣にしていました。

ふたりの両親にも
紹介され
正式に婚約しました。

結婚式は
来年の春と決まりました。

大学受験後ということに
なったのです。

上窒ヘ
理解していて
大学受験を
最優先にしたのです。

由美子が受ける
学科は
仕事に関連の深い
情報処理学科です。

最初に
会った時に
上窒ェ
図らずも予想した学科でした。

仕事を普通にしての
勉強ですから
時間が
短かったのです。

合格できるかどうか
不安でした。





40
課長に言って
有給休暇を
もらうことにしました。

たまっていたので
全部消化してしまうことにしました。

二週間あまり
両親にも説明して
勉強することにしました。

両親は
『その必要があるのだろうか』と
言いながらも
協力してくれました。

勉強三昧の日々です。

上窒
協力というか
メールも短文で
当たり障りなく
デートは
控えていました。

試験日
上窒ヘ
由美子を迎えに来ました。

一緒に大学へ行きました。

途中
ふたりは
黙っていました。

つまらないことを
言って
大事な記憶を
失わせてはいけないという
考えからでした。

受験場の
手前まで
おくっていって
別れました。

顔を見合わせ
目と目を合わせて
別れました。

由美子は
気合いを入れて
テストに臨みました。

どういう訳か
問題は
簡単でした。

過去問よりも
はるかに
簡単な問題が
並んでいて
由美子は
どういう訳か
がっかりしました。




最初は20話程度の小話とするつもりだったのに話が進むと 倍の40話を超えてしまいました。 はじめの構想ではえーっと、、、、、、、、、、、、、 41
由美子は
試験問題が
安すぎるので
『この試験は
出来レースになっているのだろうか』と
疑ったくらいです。

試験が終わって
門の外に出ると
上窒ェ待っていました。

「優さんは
待っててくれたんだ。

ありがとうございます。

頼もしかったよ」と
お礼を言いました。

上秩F
由美子さん
試験どうでした?

由美子:
大丈夫だと思うけど
結果が出ないと
わからないし

まだまだ
かもしれません

上秩F
良かったじゃないですか

良かった
良かった

ところで
大学に受かったら
仕事を辞めるんですか

由美子:
わからないけど
今の会社は
辞めたくないの


上秩F
大学は
夜間じゃなのだから
今の会社は
無理じゃないの

由美子:
そうだよね

悩んでしまうよ

イヤだ
まだ受かってもしないので
そんな事悩むなんて



42
試験に合格しようが
不合格になろうが
結婚はすることになっていました。

その用意は
試験勉強で
後回しになっていたので
発表までの間は
準備に
右往左往していました。

日は過ぎて
発表の日が来ました。

インターネット上で
発表です。

勤務時間内は
閲覧禁止ですが
課長が
私用のインターネットを
していて
「見ても良いよ」と
言ってくれました。

おそるおそる
パスワードを入れて
見てみました。

『合格』と
文字だが出てきました。

課長もそれを見ていて
「おめでとう」と
声を上げたのです。

他の社員に
「大場君が
大学に合格した」と
告げたので
社員が集まってくれて
おめでとうの嵐です。

こんなに
祝福されるなんて
人生初めてです。

前の国家試験に合格した時には
全然なかったのに
今回はこの違いです。

涙が
出てきたのを
感じました。

由美子は
こんなにみんなに
思っていてもらって
いるんだと
初めて知ったのです。

43
会社のみんなが
喜んでくれたので
すっかり
上窒ノ
電話するのを
忘れていました

勤務時間中ですから
メールで送りました。

すぐに
「おめでとう

今日はお祝いだから
お家に行きます。」と
返信がありました。

両親にも
同じように
メールをしました。

こちらも
速攻で
「早く帰ってきてね
お祝いしましょう。

優さんも
来るでしょうし」と
返信がありました。

会社のみんなが
今晩
お祝いに行こうと言いましたが
別の日に
してもらいました。

いつものように
終業時間来たら
さっさと
帰りました。

途中少し買い物をして
家に着くと
両親と
上窒ェ
出迎えて
おめでとうの
嵐です。

祝福されて
本当に嬉しくなりました。

こんなに
両親に
誉められるのは
初めてだと
思いました。

いつも兄ばかり
誉められていたのに
なぜなんだろうと
思いました。


44
お祝いの会は
和やかにすすみ
結婚生活のことを
由美子の
母親が聞いてきました。

2人は
「だいじょうぶ
ノートラブル」と
答えました。

ふたりの結婚式は
春分の日に
行われる予定になっています。

忘れないようにという意味と
毎年
休日で
お祝いには都合がよいと言うことで決まりました。

上窒フ
両親の結婚記念日を
体育の日に決めたら
ラッキーマンデーになって
年によって変わるため
変わらない日として
春分の日が選ばれました。

そんな話で盛り上がっているところに
由美子の
兄が
やって来ました。

お祝いも
持ってきて
「おめでとう」
と言ってくれました

会が終わって
片付ける時に
母親に
質問を
ぶつけてみました。

「大学に合格した時は
みんなでお祝いしてくれたけど
私が就職した時とか
高校に入った時なんか
何のお祝いもなかったように思うの

それなのに
お兄ちゃんの時は
お祝いをしたように
思うわ

この違いって何なの

お母さん」
と尋ねました。








45
母親は
わからぬような顔をして
「そんな事ないでしょう。

私は
いつも
兄弟同じように
しているわよ」と
答えました。

「えっ」と
由美子は叫んだように
思いました。

「思い過ごしなの
そんな事ないでしょう。

あれは事実だ」と
思いもう一度
言ってしまいました。

「私は
そんな風に思わないんだけど

差はあったでしょう」と
強くいいました。

母親は
兄をつかまえて
「お前と
由美子で
お祝いの仕方が
ちがった?

そんな事ないでしょう」
と
言うと
兄は
「僕の方が
厳しかったように
思うけど
由美子は
そんな風に思っていたの

知らなかった-

高校時代に
『大学に行かない』と
言った時には
学資を用意していた
お母さんは
相当がっかりしていたようだった
と思うけど」と
答えたのです。

由美子は
『自分は期待されていない』と
思っていたけど
そうでなかったのかもしれない
と思いました。


46
そう思うと
そうかもしれないと
思いました。

長年
誤解していたのかも知れないと
由美子は気が付いたのです。

翌る日
会社の課長に
退職届を
出すことになりました。

大学に行くと
到底仕事が出来ないので
残念ですが
辞めざる得ないのです。

上窒フ
負担を少なくするため
アルバイトをするつもりだったのですが
そんな事も
課長に話しました。


課長は
「大場さんは
仕事を
きっちりこなしてくれるので
退職したら
大打撃

今後も
アルバイトをしてくれたら
助かるよ

今後とも
頼むよ

大学を卒業できたら
また正社員で
お願いするから」と
言ってくれました。

「私って
会社に
期待されているのだ」と
この時
初めて思いました。

大学合格は
ものすごく嬉しいけど
そのことが
もっと多くのことに
気付かせてくれました。



47
大学が合格して
その後の仕事も
確保して
これで
前途洋々と
思いながら
「あっ
結婚式が
有ったんだ」と
気が付きました。

由美子は
人生最後の
慶事
結婚式に
全力で
対応することにしました。

春分の日は
雨になりました。

外での
写真撮影が
出来なくなって
由美子は
少し残念でした。

でも
最後の
思い出の
スライドが
心に残りました。

ふたりで作った
映像で
泣いてしまいました。

よく見ると
両親も泣いていました。

ふたりで
考えて
作っただけのことは
あると
おもいました。

感動的な
結婚式が終わって
ニュージーランドに新婚旅行に
行きました。

新婚旅行費は
上窒フ両親が
お祝いにと
全額出してくれて
相当豪華でした。

7泊8日の旅行を終えて
関空に着いた時には
相当疲れて
へとへとでしたが
すっごく楽しかったという感想でした。

ふたりの駅の
中間で
新しく借りた
マンションに
帰りました。

駅に近くはないけど
広いし
安いので
今後のことを考えて
決めたものでした。

駅までは
自転車で
通うことになっていました。




48
進行旅行から帰ってきた翌日
ふたりは
休みを取っていました。

上窒ヘ
近くでもいいから
出掛けようかと
誘ってくれましたが
「由美子は
家で
ゆっくりお話でもしましょう」と
答えました。

新しいマンションは
3階にあって
眺めが良いのです。

並んで
窓に向かって
ゆっくりと座って
話し始めました。

上秩F
はじめて会ってから
2年半経つよね

由美子:
そうだね

上秩F
やっとここまで
来たかと

由美子:
そうだね

上秩F
艱難辛苦を
乗り越えて
やってきたというような

由美子:
大げさじゃないの
私は
自然にここまで来たように
思うけど

上秩F
由美子さんは
自然に
ここまで来たかも知れないけど
僕は
そうではないよ

由美子:
そうなの
大変だったんだ

私には
自然だと思うけど


49
上秩F
試験場で
最初に会って
それから
偶然
二度目会って

そんな事あり得ないよね

由美子:
私もそう思います。

学食で
会うなんて
偶然の中の
偶然ですよね

上秩F
学食であった時
由美子さんは
私を
『バカだ』と
思っていましたよね

由美子:
そんな事ないです。

優さんは
賢い大学生だと
思っていました。

(なんでわかったんだろう
でも
本当のことを
言えないよね

ここは
否定しないと)

上秩F
でも
確か
そんな風に
感じたんだけどね

それに
僕より
由美子さんは
賢いですよね

由美子:
そんな事ないです。

上窒ウんは
就職もして
しっかりしてるじゃないの

上秩F
就職は
がんばりました。

就職できないと
由美子さんと
全体結婚なんて
できないもの

僕は
実力ではなく
努力です。

由美子:
それなら
私も
努力です

毎日
努力です

努力が
日常です。

上秩F
由美子さんは
本当に
努力家ですよね



50
友達からもらった
おそろいの
コーヒーカップが
机の上に並んでいました。

由美子の前には
黄色のソーサーの上に
赤いカップ
上窒ヘ
同じ黄色のソーサーの上に
青のカップが
置かれていました。

カラフル過ぎる
カップを見ながら
話は続きます。


由美子:
努力家と言うより
そんな日常が
好きなんだと
思いますけど

習慣ですよね

上秩F
そうそう
習慣ですよね

家がかわって
最初の内は
疲れたけど
今は
もう慣れました。

由美子さんも
明日から
大学が始まるから
疲れが出ないように


由美子:
そうですよね

毎日が
かわったら
疲れますよね。

いつもが
一番

明日からは
大学へ行って
アルバイトして
それから
主婦して
妻するのが
日常にします。

あなたの
隣にいることが
幸せ

上秩F
ありがとう

由美子といれば
どんなことでも
出来る様な気がする

僕も
手伝うから

ふたりは
窓から
見える
六甲の山を見ながら
ゆっくりと
その日を過ごしました。

もちろん
由美子は
勉強もしましたが
、、、

それを
上窒ヘ
幸せだと
見守っていました。

41
翌日は
大学の入学式で
由美子の母親も
出席することになっていました。

上窒
「行きたい」と
言ったのですが
由美子が
でないで欲しいと
言ったのです。

残念に思ったけど
由美子の
保護者でもないので
諦めて
会社に行くことにしました。

上窒ェ先に
家を出たので
由美子は
外に出て
見送りました。

時間が来たので
母親との待ち合わせの
駅に向かうため
自転車に乗って
出発です。

マンションから
東の方にむかって
進み
少し大きな道路に出ると
左に曲がります。

信号の所を
渡って
露地に入ります。

しばらくすすむと
県道に出ます。

県道をまっすぐ進むと
駅になります。

県道が
緩やかに曲がっていて
県道に出るところは
南から走ってくる車は
出口が見えません。

由美子は
それがわかっているので
左右を確認して
路側帯に
沿って
出ました。

ゆっくりと
自転車をこいで
すすんでいると
後ろに大きな音がして
衝撃を
感じました。

由美子は
大きな力で
前に
投げ飛ばされました。

投げ飛ばされた
由美子は
コンクリートの橋桁に
衝突しました。

衝撃を感じた後
由美子は
意識を失いました。

後ろから
黒い
軽自動車が
衝突したのです。

衝突後
運転手は
ブレーキを踏みましたが
自転車を巻き込んで
止まるまで
30m近く要しました。

止まった時に
絡みついた
自動車が
はずれて
そのまま
自動車は
急発進して
由美子を置いて
走り去りました。

黒い自動車の
後ろを走っていた
宅配業者の車は
クラクションを
長く鳴らしたが
止まりませんでした。

すぐに
ナンバーを
メモに控えて
自動車を降りました。

対向車の自動車の
運転手も
降りてきていたので
警察と消防署に
分担して
通報しました。

由美子は
普通は
出来ないような
形で
道路の端に
横たわっていました。

宅配業者は
由美子に触れようとしましたが
後からやって来た人が
「触らないで」と
言ったので
そのままにしておきました。

周りに
人が
増えてきて
時間が過ぎていきました。
2分ほど経つと
まず
パトカーが
サイレンを鳴らして
やって来て
制服の警官が
たくさん
降りて走って
やって来ました。

手際よく
交通整理をして
救急車を待ちました。

その間に
宅配業者に
事情聴取していました。

それから
1分
救急車がやって来て
救急隊員が
担架を持って
走ってきました。

救急隊員は
由美子を確認して
「CPA(心肺停止)」と叫びました。






42
救急隊員は
手際よく
処置を施し
救急車に
移しました。

しばらくして
けたたましい音を出して
救急車は
駅の方へ
走り去りました。

一方
駅で待つ
母親は
救急車や
パトカーの
サイレンを
聞いていました。

慎重な
由美子だと思っていたので
母親は
特に心配はしていませんでした。

駅前の
病院に
救急車が
入っていくのも
見ていました。

約束の時間が
来ても
由美子は
来なかったので
携帯に
電話をしました。

すぐには出ませんでした。

「自転車にでも乗っているのか」と
思いつつ
もう一度
電話をすると
「東警察署です。
こちら
上苧R美子さんの
電話ですが
どちら様ですか」と
男の声で
かえってきました。

母親は
びっくりして
思わず
電話を
耳から話しました。

おそるおそる
「上苧R美子の
母親ですが
由美子は」と
言いました。




43
「大場さんは
交通事故に遭われて
病院に搬送されました」と
電話から
伝わってきました。

母親は
オレオレ詐欺の
一種かと
思いました。

しかし
電話は
「駅前の病院です。
経った今
搬送されました」と続き
これは本当だと思ったのです

目の前で
救急車が
サイレンを鳴らして
病院に入って
きていたからです。

電話を
受けて
すぐに目の前の
病院に行きました。

受付で
救急車で運ばれた
母親だというと
処置室の方へ
案内されました。

医師と
看護婦
救急隊員
それに警察官が
遠巻きにしている
ベッドの上に
横たわっている
女性がいました。

警察官が
近づいてきて
「大場由美子さんの
お母さんですか

大場さんは
ひき逃げに
遭われました。

逃走車は
現在
捜査中です」
といったのです。

ベッドの女性は
遠目だったので
母親には
由美子かどうかわかりません。

警察や
消防隊員は
学生証で
氏名を
確認したらしいのですが
母親には
間違っていて欲しいと
願うばかりです。

その時
母親は
連絡しなければならないことに
気が付きました。

まず
夫に電話をして
その次に
上窒ノ
電話をしました。

母親は
こんなことを
上窒ノ電話しようとは
夢にも思いませんでした。

上窒フ電話は
勤務中なので
留守電になっていました。

「由美子が
交通事故に遭って
駅前の病院に
入院している」とだけ
言うのが
精一杯でした。


54
処置室が
急に
静かになりました。

母親のところに
年長の女性の
看護師さんらしきものが
やって来て
「残念ながら
ただ今
大場さんの
死亡が確認されました。

こちらにお願いします」と
言って
案内されました。

処置室に入ると
由美子の
体から
いろんな装置が
外されていました。

遠くからでも
由美子とわかりました。

穏やかな
顔で
寝ているようでした。

思わず
涙が
あふれてきました。

泣き崩れるようでした。

看護師が抱きかかえて
外の
イスに座れてくれました。

その時
父親が
走ってきました。

「由美子が
死んでしまった」と
話して
父親と
一緒に
泣いていました。

しばらくして
警察官がやってきて
「こんな時に
何ですが
大場さんの
ご遺体を
検視する必要があります。

お願いします」と
告げてきました。

「はい」と
言ったら
「検視は
少し時間が必要です。

夕方には
ご遺体を
お返しできると思います。

単なる交通事故ではなく
ひき逃げですので
検視が必要なんです」と
言って
手続きの
用紙に
署名をするように
言われました。

肩を落として
病院から
帰ろうとした時
上窒ェ
血相を変えて
走ってきました。

「由美子さんは

由美子さんは」と
両親に
叫ぶように
近づいてきました。


55
母親は
何も言えませんでした。

父親が
しばらくの時が過ぎて
仕方がないの
「亡くなって
今検視になって
、、、、」と
だけ告げました。

上窒ヘ
膝を折って
へたり込みました。

「○×△#
、、、、、

どうして
こんなことに

あの時
一緒に行っていれば

どうして
由美子さんが

あー

、、、、、、、

、、、、

、、、、、、、」
と
うなるように
言いました。

3人は
とりあえず
席に座って
ふさぎ込みました。

そのまま
時間が過ぎました。

昼頃まで
その場にいました。

病院は
いつもの
喧噪の状態から
閑散な
状態になっていました。

そこに
由美子の
兄が
走ってきて
その
状態が
崩れました。

「遅くなってごめん

今は
どうなっているの

ここでは何だから
家に帰ろう」と
兄は言って
肩を落とした
面々を
自分の車に乗せて
上窒フ家に向かいました。


56
上窒フ家に
着くと
無言で
イスに座り込みました。

その後
お葬式屋さんが
やって来ました。

控えめに
振る舞っていましたが
やはり
きっちり
決めて帰りました。

お葬式は
明後日にして
明日の夜が
通夜で
今晩は
マンションで
過ごすことにしていました。

昼ご飯は
弁当を
近くで
買ってきて
食べました。

美味しくないと
みんなは思ってしまいました。

夕方になって
由美子の遺体が
マンションに帰ってきました。

母親以外は
死んだ
由美子を見るのは
初めてです。

葬儀社が
帰って
4人になると
もう
会話はありません。

そんな中
思いついたように
由美子の母親が
「お坊さんを呼んで
枕経を上げない」と
言って
その沈黙が
破れました。

母親は
上窒ノ
繋がりがある
お寺を
聞きました。

ないというので
大場家に
いつも着てい頂いている
お寺さんに頼みました。

57
女性の
住職さんがおいでになって
お経を唱えた後
ちょっとだけ
法話がありました。

「人は
死んだら
往生即成仏
光となって
現世を
守っている」というものでした。

上窒ヘ
由美子さんなら
きっと
守っているかも知れないと
思いました。

住職さんが帰ると
由美子の兄の
妻と子供
上窒フ両親と
兄弟の家族が
やって来ました。

大人は
おとなしくしていましたが
小さい子供たちは
叔母さんが
亡くなったと言うことが
実感としてなかったのかも知れないし
はしゃいではいけないと言うことも
知らなかったのです。

子供は騒ぐものです。

沈痛な
4人とは
対照的です。

母親が
制止しますが
言うことなど
聞くはずもなく
早々と
帰ってしまいます。

またまた
沈黙の
4人に戻りました。

夜も更け
10時頃に
由美子の両親と兄が
自動車で帰ってしまうと
上窒ニ
由美子の遺体だけに
なっていました。




58
葬儀社に
遺影の
写真を
頼まれていたので
デジカメの写真から
探していました。

どの写真も
由美子が
幸せそうに
笑っていました。

何千枚もある写真を
一枚一枚
思い出とともに
見ていました。

夜も更け
12時頃
由美子の遺体に
触れてみました。

ドライアイスで
冷たくなっていました。

続けて
写真を探していました。

そのうちに
眠たくなって
由美子の隣の
パソコンの前で
ウトウトと
眠ってしました。

上窒ヘ
いつもは
夢を
見たことがありません。

よく寝るのです。

そんな
上窒ェ
長い長い
夢を見たのです。

夢の中は
明るい
白い背景の前で
由美子が
立っていました。

由美子は
薄いピンクの
お気に入りの
服を着ていて
いつものように
髪を後ろで束ねていました。

59
夢の中の
由美子は
笑顔だと
上窒ノは見えました。

夢の中の
由美子は
ゆっくりと
上窒ノ
話しかけました。

『優さん

夢の中で
出会えて
嬉しいです。

優さんは
どうですか

私は
幸せです。

あなたに会えて幸せです。

今までの人生すべてが
あなたのおかげで
最高に幸せでした。

こんな幸せ
もっと
もっと
過ごしたいけど
そんなの
贅沢な
思いですよね。

良き両親に出会えて
そして
あなたに会えて
どんなに幸せでした。

これ以上の
幸せなんか
もう絶対にないと思います。

この先は
きっと
これ以下の幸せが
あるいは
不幸が待っていると思います。

歳を重ねれば
好きだった
父母とも
いつかはお別れしなければならないし
それに
、、、、、

大好きな
優さんとも
お別れが
あるかもしれません。

そんな時
私は
どう感じるでしょうか。

きっと
悲しい思いが
することでしょう。

それに
大好きな
優さんが
私が生きていても
遠ざかっていることも
あるかもしれません。

愛は
永遠ではないことは
私は
知っています。

、、、、、


きっと
優さんに限って
そんな事は
ないとは思いたいけど
やっぱり
今の幸せを
味わってしまった
私には
そんな心配が
頭をよぎります。




60
夢は続きます。

上窒ヘ
由美子の
話すことが出来ないのが
もどかしく夢の中で
思いました。

優さん

私は幸せでした。

そして今も
幸せです。

そして
将来も
きっと幸せだと思いますが
それには
条件があります。

それは
私の愛する
優さんが
幸せになることよ

優さんは
24歳だし
まだまだ若いんだから
新しい人を見付けて
幸せになってね

私を忘れて
幸せになってとは
言えないけど
私を思って
一生
寂しく過ごすことなど
ないように
して下さいね

何度も言いますが
私は
あなたのおかげ
幸せで。

もうあなたと
夢の中では
会わないわ。

私は
光となって
あなたを
遠くから
見守っていますから

最後に
誤解のないように言っておきますが
私は
死にたくはなかった
もっと
優さんと
一緒に暮らしたかった。

でも
いまなら
死んでも
幸せ


2016年12月12日(Mon)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その59

夢の中の
由美子は
笑顔だと
上窒ノは見えました。

夢の中の
由美子は
ゆっくりと
上窒ノ
話しかけました。

『優さん

夢の中で
出会えて
嬉しいです。

優さんは
どうですか

私は
幸せです。

あなたに会えて幸せです。

今までの人生すべてが
あなたのおかげで
最高に幸せでした。

こんな幸せ
もっと
もっと
過ごしたいけど
そんなの
贅沢な
思いですよね。

良き両親に出会えて
そして
あなたに会えて
どんなに幸せでした。

これ以上の
幸せなんか
もう絶対にないと思います。

この先は
きっと
これ以下の幸せが
あるいは
不幸が待っていると思います。

歳を重ねれば
好きだった
父母とも
いつかはお別れしなければならないし
それに
、、、、、

大好きな
優さんとも
お別れが
あるかもしれません。

そんな時
私は
どう感じるでしょうか。

きっと
悲しい思いが
することでしょう。

それに
大好きな
優さんが
私が生きていても
遠ざかっていることも
あるかもしれません。

愛は
永遠ではないことは
私は
知っています。

、、、、、


きっと
優さんに限って
そんな事は
ないとは思いたいけど
やっぱり
今の幸せを
味わってしまった
私には
そんな心配が
頭をよぎります。





2016年12月11日(Sun)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その58

葬儀社に
遺影の
写真を
頼まれていたので
デジカメの写真から
探していました。

どの写真も
由美子が
幸せそうに
笑っていました。

何千枚もある写真を
一枚一枚
思い出とともに
見ていました。

夜も更け
12時頃
由美子の遺体に
触れてみました。

ドライアイスで
冷たくなっていました。

続けて
写真を探していました。

そのうちに
眠たくなって
由美子の隣の
パソコンの前で
ウトウトと
眠ってしました。

上窒ヘ
いつもは
夢を
見たことがありません。

よく寝るのです。

そんな
上窒ェ
長い長い
夢を見たのです。

夢の中は
明るい
白い背景の前で
由美子が
立っていました。

由美子は
薄いピンクの
お気に入りの
服を着ていて
いつものように
髪を後ろで束ねていました。


2016年12月10日(Sat)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その57

女性の
住職さんがおいでになって
お経を唱えた後
ちょっとだけ
法話がありました。

「人は
死んだら
往生即成仏
光となって
現世を
守っている」というものでした。

上窒ヘ
由美子さんなら
きっと
守っているかも知れないと
思いました。

住職さんが帰ると
由美子の兄の
妻と子供
上窒フ両親と
兄弟の家族が
やって来ました。

大人は
おとなしくしていましたが
小さい子供たちは
叔母さんが
亡くなったと言うことが
実感としてなかったのかも知れないし
はしゃいではいけないと言うことも
知らなかったのです。

子供は騒ぐものです。

沈痛な
4人とは
対照的です。

母親が
制止しますが
言うことなど
聞くはずもなく
早々と
帰ってしまいます。

またまた
沈黙の
4人に戻りました。

夜も更け
10時頃に
由美子の両親と兄が
自動車で帰ってしまうと
上窒ニ
由美子の遺体だけに
なっていました。













2016年12月09日(Fri)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その56

上窒フ家に
着くと
無言で
イスに座り込みました。

その後
お葬式屋さんが
やって来ました。

控えめに
振る舞っていましたが
やはり
きっちり
決めて帰りました。

お葬式は
明後日にして
明日の夜が
通夜で
今晩は
マンションで
過ごすことにしていました。

昼ご飯は
弁当を
近くで
買ってきて
食べました。

美味しくないと
みんなは思ってしまいました。

夕方になって
由美子の遺体が
マンションに帰ってきました。

母親以外は
死んだ
由美子を見るのは
初めてです。

葬儀社が
帰って
4人になると
もう
会話はありません。

そんな中
思いついたように
由美子の母親が
「お坊さんを呼んで
枕経を上げない」と
言って
その沈黙が
破れました。

母親は
上窒ノ
繋がりがある
お寺を
聞きました。

ないというので
大場家に
いつも着てい頂いている
お寺さんに頼みました。


2016年12月08日(Thu)▲ページの先頭へ
ブログ小説「大切な彼女は突然に」その55

母親は
何も言えませんでした。

父親が
しばらくの時が過ぎて
仕方がないの
「亡くなって
今検視になって
、、、、」と
だけ告げました。

上窒ヘ
膝を折って
へたり込みました。

「○×△#
、、、、、

どうして
こんなことに

あの時
一緒に行っていれば

どうして
由美子さんが

あー

、、、、、、、

、、、、

、、、、、、、」
と
うなるように
言いました。

3人は
とりあえず
席に座って
ふさぎ込みました。

そのまま
時間が過ぎました。

昼頃まで
その場にいました。

病院は
いつもの
喧噪の状態から
閑散な
状態になっていました。

そこに
由美子の
兄が
走ってきて
その
状態が
崩れました。

「遅くなってごめん

今は
どうなっているの

ここでは何だから
家に帰ろう」と
兄は言って
肩を落とした
面々を
自分の車に乗せて
上窒フ家に向かいました。



2016年12月07日(Wed)▲ページの先頭へ
血糖測定は痛い!!でも役に立つ

私が
購入した
血糖測定用の器具です。

いろんなタイプが
あるらしいのですが
いずれも
同じようなものです。

まず
上の
血を
指から出す器具です。

指を温め
軽く揉んで
なるべく低い位置に置きます。

血を出す器具を
指に当て
押すと
針が
指に食い込みます。

小さい傷ですので
すぐに血は出ませんから
指を下に置いて
少し押すと
血が出てきます。

ごま粒ほど出ると
下の測定器具の
測定用部分を当てると
毛細管現象で
血が
測定器具内に入っていき
電気的に
血糖値を測定します。

この中で
針を刺すのが痛いのです。

痛いです。








ブログ小説「大切な彼女は突然に」その54

処置室が
急に
静かになりました。

母親のところに
年長の女性の
看護師さんらしきものが
やって来て
「残念ながら
ただ今
大場さんの
死亡が確認されました。

こちらにお願いします」と
言って
案内されました。

処置室に入ると
由美子の
体から
いろんな装置が
外されていました。

遠くからでも
由美子とわかりました。

穏やかな
顔で
寝ているようでした。

思わず
涙が
あふれてきました。

泣き崩れるようでした。

看護師が抱きかかえて
外の
イスに座れてくれました。

その時
父親が
走ってきました。

「由美子が
死んでしまった」と
話して
父親と
一緒に
泣いていました。

しばらくして
警察官がやってきて
「こんな時に
何ですが
大場さんの
ご遺体を
検視する必要があります。

お願いします」と
告げてきました。

「はい」と
言ったら
「検視は
少し時間が必要です。

夕方には
ご遺体を
お返しできると思います。

単なる交通事故ではなく
ひき逃げですので
検視が必要なんです」と
言って
手続きの
用紙に
署名をするように
言われました。

肩を落として
病院から
帰ろうとした時
上窒ェ
血相を変えて
走ってきました。

「由美子さんは

由美子さんは」と
両親に
叫ぶように
近づいてきました。



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