連続小説「昭和」の武蔵の死について その1
後日登場する
この小説の主人公 けい は
武蔵を親のように慕っていました。
年が離れていたので
そう思ったのでしょうか。
兄さんとは呼ぶことなしに
「たけさん」と呼んでいたそうです。
けいの武蔵への思いは
少女時代の
大きな支えであったのかもしれません。
予備役で招集されるまでの
数年間は
けいは
大変な労働をしていたのですが
一番幸せな時期だったと後年述懐していました。
戦争がなくて
予備役が招集されなかったら
武蔵は結婚し
もちろん武蔵は幸せな人生を過ごせたでしょう。
きっと
おじいさんの
清兵衛とおなじくらいの
立身出世を
果たしたかもしれません。
そして
けい もその恩恵によくしたでしょう。
戦争は
武蔵の人生にピリオドを打ち
家族のものに
苦難を強いたのです。
皆様
平和は大切ですね。
長編小説「昭和」 その153
長編小説「昭和」 その153
前書き
今までのあらすじ
その1からその130まで まとめたもの
数週間後
白い布で包まれた桐の箱と
恩賜金が
千代の家に届けられました。
武蔵は
一階級特進して
陸軍伍長となって
骨となって帰ってきてしまいました。
千代は恩賜金のすべてを使いはたし
武蔵の墓を
ふるさとの今津の
清兵衛と清三の隣に
建てました。
そのお墓は4尺ばかりの白御影石の台座の上に
少し小さい石がのっており
その上に
四角い台形の細長い石がのっています。
一番上の石は
先がとがっています。
前には
陸軍伍長 川野武蔵刻まれています。
後ろには
戦死広報に書かれていた戦死の顛末が
小さな字で刻まれています。
前には
花を立てる石と
水を供える窪みがある石があります。
その石の前には
河野家の紋が刻まれています。
このお墓が出来上がると
送られてきた
骨壷を収めました。
千代の納屋には
武蔵の
形あるものは残りませんでした。
ただ悲しみだけがいつまでも残ったように思えました。